女優の奥山かずさが、9月30日に自身3作目となる写真集『月刊 奧山かずさ・想』(小学館 2,750円)をリリースした。昨年7月に発売した2nd写真集『AIKAGI』(ワニブックス)は発売前重版、発売から10日で2度目の重版が決定。「完璧美ボディ」「日本で一番美しいカラダ」と称されるスタイルと、演技力にフォーカスして見せた艶っぽさが好評を博した。
女優デビューは、2018年放送の『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(テレビ朝日系)。女戦士・明神つかさ / パトレン3号役を演じ、注目を集める。昨年は『ケイジとケンジ 所轄と地検の24時』(テレビ朝日系)、『キワドい2人-K2-池袋署刑事課 神崎・黒木』(TBS系)など連続ドラマ4作品に出演した。
今回のインタビューでは、2nd写真集から「2度目の完全燃焼」を果たしたという3rd写真集の撮影エピソード、カメラマンを担当した桑島智輝氏との撮影で「感情があらわになった」ことで感じた芝居の変化、主体性を持ってグラビアに取り組むことの大切さについて話を聞いた。
■3rd写真集の出来栄えは「100点」「大満足」
――前作『AIKAGI』の発売記念イベントで「今作が私にとって大切な一冊になったので、これを超えられるものが作れるのかなというプレッシャーもあります」と話されていましたが、今作の出来栄えはいかがでしょうか?
出来栄えは……100点(笑)。大満足です。前回、私は1作目より良いものを作りたいと思って、(カメラマンの中村)昇さんとコミュニケーションをとって、その時出せるベストの写真集を出しました。言ってしまえば、その時に完全燃焼したというか、自分の中で2冊目を作ってホッとしてたところだったんですね。なので、3作目のお話をいただいた時は、“はやっ!”と(笑)。でも今回は『月刊』シリーズから写真集を作るということで、完全燃焼した2作目をどうやって超えようとすごく悩みながらも、もっと考え方をマイルドにして、自分としても大きな成長のきっかけになればいいなと撮影に臨みました。
桑島さんとの出会いもタイミングが良く、最初にグラビアでお仕事をした時に“この人だ!”と感じて、3作目をぜひ撮ってほしいとお声がけさせていただきました。結果、すごくいいものになり、“2作目を超えるためにどうしよう”と、いっぱい考えた時間があったことも良かったのかなと思います。
――“この人だ!”というのは、どういうところでそのように感じたんですか?
私の元々の性格もあるのですが、このお仕事をしていると、役やキャラクターを演じることが多くて。そうすることに慣れていたし、素の自分がわからなかったというか、分かろうとしなかったというか……何か役を演じているほうが居心地が良かったんです。でも、桑島さんと撮影している時は何もない、ありのままの状態でした。それが桑島さんのパワーだと思うんですけど、カッコつけよう、こう見せようと全く思わない自分がいる空間を作ってくださり、何もない自分でいることの不安もありましたが、乗り越えさせていただきました。
――2作目では演技力を出すことに注力したともおっしゃっていましたが、今回はガラリと変わって“素”が出ているんですね。
今回も最初は“2作目を超えたい!”と臨んだんですけど、撮影に入ってカメラを通した、桑島さんと二人の時間があってからは、私は力を入れなくてもいいなと、自然とフラットな状態になって。力んでいたものがなくなって、リラックスして撮ることができたという点では、2作目ともまた違った完全燃焼ができたと思います。
――完全燃焼が続いていて、次の作品を作るのが大変そうです(笑)。
本当に! 4作目も作りたいですけど、大変です(笑)。
■公民館で一人きりに……あふれ出した感情
――撮影中、奥山さんが感情をあらわにする場面もあったということですが、それは表紙にもなっている和室のシーンでしょうか?
(感情があらわになったのは)表紙なんですけど、撮影したのは和室というか、公民館なんです。
――公民館なんですね! それはまた色気があります(笑)。
そうですよね(笑)。公民館の畳の部屋に布団を敷いて、窓からは山と海が見えるというすごく不思議なシチュエーションでした。そこで「じゃあここにいて」と言われて、一人ポツンとスタッフさんたちに置いていかれて、“なんだ、これは?”と思いながら、最初はボーッとしてたんですけど、段々と不安になってきて。何を考えたらいいのかわからないし、私は今何でもない。誰にも見られてないからカッコつける必要もないのに、そんな自分が許せなくて、何もない自分が嫌で……と色々なことを考えていたら、感情が込み上げてきました。
――写真集を見てすぐに、このシーンのことだろうなとわかるくらい、内面から気持ちがあふれ出た写真でした。
これがドラマや映画で出せたらベストで、出さないといけないと思うんですけど、演技では出せない、本当に内側から思ったから泣いちゃったっていう写真が撮れました。今回写真集を作る時にそんな風にしようとは全く考えていなかったので、桑島さんやスタッフさんにケアしていただいたからこそ出来たものだと思います。
あまり自分の中では対峙したくない感情ではありました。東京で一人でいる時にはまず感じないというか、「とりあえず何かのキャラクターになっておこう」と思いながら、日々生きていたんだなと。それを受け入れるきっかけになりました。
――そんな風に思ってもみなかった感情があふれ出る撮影を終えたことで、お芝居にも変化はあるものですか?
変わりましたね。写真集の撮影を終えて、自分のフラットな状態が見えて良かったなと完結していたつもりだったのですが、気づかないうちにそう思えたことがお芝居にも生きていて、「ここがこう変わった」とは言えないんですけど、“こうやって見られたい”と思って、自分の中でテクニックでやろうとしていた部分がなくなりました。