サイバーリンクは、AI機能などを搭載した最新バージョンとなる「PhotoDirector 13」と「PowerDirector 20」を発表した。本稿では、その新機能など紹介したい。
新たなフォトエフェクトが追加されたPhotoDirector
まずは、写真編集ソフトであるPhotoDirector 13である。これまで同様、サブスクリプション版(PhotoDirector 365)のラインナップもある。そのメリットであるが、以下の通りである。
- 契約期間中に最新バージョンがリリースされた場合は、無償で最新版に
- レイヤー、フレームなどを含んだ、さまざまなテンプレートパックをダウンロード
- Getty Images/Shutterstockの高品位の素材をダウンロード
ハードユーザーには、サブスクリプション版のほうがお得といえる。PhotoDirector 13はダウンロード版のみの提供となる。動作環境など詳しい情報は、サイバーリンクのWebサイトを参照してほしい。なお、Windows 11にも正式対応している。
以下、新機能をいくつか紹介していこう。最初は、AI空の置き換えである。写真の空を別の画像やテンプレートの好きな空に置き換えることができる。実際にやってみよう。図1のような写真を用意する。メニューから、[ガイド編集]→[フォトエフェクト]→[空の置き換え]を選ぶ。
手順はいたって簡単で、マイテンプレートから好みの空の写真を選択するだけである。
設定などで、配置や境界線のぼかし、濃度などを調整することもできる。しかし、ほとんど調整することなくAIが最適な状態を実現してくれる。昼間から夜、曇りを晴れにといった作業を簡単に実現してくれる。PhotoDirectorを購入したら、まずは試してみたい機能といえるだろう
次に、AIオブジェクト区別ツールである。従来のガイド編集ツールと使用手順は同じであるが、AI技術により、人、物、ペットなどのメインオブジェクトをすばやく認識してくれる。図3のような画像を用意する。
メニューから[ガイド編集]→[抽出&作成]→[背景除去]を選ぶ。ブラシの選択で、もっとも左にある[最も目立つオブジェクトを自動的に選択]のボタンをクリックする。自動的に人やペット部分が選択される。
背景が単色でなくても、かなり精度が高く、選択領域のコピーや背景の削除が行える。以前ならば、ガイド編集ツールで細かく領域を追加していった。ワンボタンでここまでできるのはかなり楽になった。実際に、選択部分を抽出し、ほかの画像と合成してみた。
このように合成などもより短時間でできるようになるだろう。 次に、ピンぼけエフェクトである。サンプル写真を読み込む。
メニューから[ガイド編集]→[ライトエフェクト]→[ピンぼけ]を選ぶ。この段階でピンぼけがかけられる。写真にマウスをフォーカスすると、ぼかしの範囲などを設定できる。
また、メニューからピンぼけの形を選ぶことができる。
ここではハートを選択してみた。このあたりも、いろいろと試してみたい機能である。 次に、スパークルエフェクトである。図9のような光源を含むようなサンプル写真を用意する。
メニューから[ガイド編集]→[ライトエフェクト]→[スパークル]を選ぶ。いちばん上の自動的に追加されたスパークルのスタイルから、好みの光のきらめきを選ぶ。
使う機会はそれほど多くはないかもしれない。しかし、写真に効果的なエフェクトを与えることができる。覚えておきたいテクニックのひとつといえるだろう。
次に、ライトヒットエフェクトである。このエフェクトは、写真の光の筋を追加するものだ。図11のようなサンプル写真を用意する。
メニューから[ガイド編集]→[ライトエフェクト]→[ライトヒット]を選ぶ。テンプレートから、好みの光の筋を選択する。
かなり自然な感じで、光線エフェクトを追加できる。ライトアップされた夜景や降り注ぐ日差しといった表現を自由にアレンジできる。
最後に、AI自動カラー強調を紹介しよう。図13のようなサンプル写真を用意する。
メニューから[調整]→[手動]→[全体調整ツール]→[自動カラーエンハンスメント]を選ぶ。
AIが写真の色調などを最適化する。スライダーがあり、適用度合を調整することができる。ここではやや強めにかけてみた。屋内や写真上部が鮮明になっているのがわかるだろう。 冒頭で紹介したGetty Images/Shutterstockの高品位の素材をダウンロードであるが、[ライブラリ]→[プレミアム素材]から行う。
一般的な利用だけでなく、商用利用も可能である。 新バージョンでは、AI機能を活用したエフェクトの使い勝手がよいのが印象に残った。