TBS火曜ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(2020)でブレイクし、同じ枠で放送された『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(2021)も話題に。「TBSのドラマ2作品は喜びも葛藤もすごく大きかったです。届く人数が違いましたし、変化がありすぎて自分が自分じゃない感じがあって、受け入れるのに時間がかかりました」と葛藤を明かし、ブレイクについて「心はまだ追いつかないし追いつきたくない。変わってたまるか! って」と本音を明かした。

そして、「本当に全然まだまだで、ダメダメだなって思う日々です」と続け、「素敵な方々とお仕事をご一緒し、未熟さを思い知らされますが、これは忘れちゃいけない感情だなと。『満足したら終わりだよ』と言われたことがあって、今まだ満足できていないということは、まだ終わってないなって」と説明。自分に満足することなく、日々成長を続けている。

今年の活動で特に成長できたと感じていることを尋ねると、「朝ドラですね」とヒロインを務めるNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(11月1日スタート)を挙げ、「本当に濃い人生を役として生きることができて、一生の財産になったなと。忘れられない時間です」としみじみ。

本作は、ラジオ英語講座と共に歩んだ祖母(安子)、母(るい)、娘(ひなた)の3世代のヒロインが、戦前から戦後、そして令和まで物語を紡いでいく100年のファミリーヒストリーで、上白石は安子を演じる。

「10代から演じ、子育ても。しかも戦争を挟んで。激動の人生を演じさせていただき、かけがえのないものになりました」と振り返り、「お母さん役を長い時間をかけてちゃんと演じて、いつか母になりたいという思いも増しました」とにっこり。

また、「命のつながりを改めて感じました」と言い、「母親が言った何気ない一言など覚えているもので、子供を育てるってすごいことだなって。みんな誰かに育てられているわけで、そういうつながりが愛おしいなと改めて思いました。本当にこの作品に出会えてよかったです」と優しい表情で話した。

ここ数年で主演を任されることが増えたが、「責任感やプレッシャーはめちゃくちゃ増しましたし、いまだに私でいいのかわからずやっているところもあって、向いてないなと思うことのほうが多いです」と告白。「でも、物語を動かす人ではなくて、 周りの人が物語を動かすのに反応していくのが主役。目の前で起きていることについてどう思うか、視聴者の方と一緒に進んでいくのが役目なのかなと。真ん中であって真ん中ではない。何作か経験させてもらってそう思いました」と語る。

続けて、「今の朝ドラの清原果耶は理想の主役だと思う」と、現在放送中の『おかえりモネ』でヒロイン・百音を演じている清原の名前を挙げ、「受けのお芝居を完璧にやっていて、それってすごい技術ですし、感性です。私、果耶みたいになりたいなって最近すごく思っています」と大絶賛。

清原とは映画『ちはやふる』で共演して以来、交流があるという。「コロナになる前はご飯に行ったりよく遊んだりしていたのですが、年下ながらとても憧れます。大好きです」。朝ドラの撮影中もやりとりしていたそうで、「撮影期間がかぶっていたので、励まし合っていて。お肉とか送り合ったりもしました。同志という感じです。果耶にすごく支えられました」と感謝している。