明るく元気なキャラクターでバラエティでも活躍しているモデル・女優の河北麻友子。切れ味鋭いトークが持ち味だが、その武器は16歳まで暮らしていたアメリカ・ニューヨークで身についたものだという。河北らしさがどのようにして作り上げられたのか掘り下げるとともに、仕事のやりがいや、結婚後の変化についても話を聞いた。

  • 河北麻友子 撮影:桜井恒二

出身地であるニューヨークが舞台のドラマ『ゴシップガール』シリーズのファンだという河北。同シリーズでは個性的なキャラクターたちが登場するが、河北は「ドラマほどではないですけど、ニューヨークにいたときは個性の豊かさをすごく感じました」と振り返る。

そして、日本人であることを強く意識したという。「みんな自分のカルチャーを主張するので、学校で私1人だけ日本人だったのですが、私も日本人であることを大切にしたいと思ったし、日本人であることをすごく誇りに思えました。日本にいたら日本人であることをそんなに意識しないと思いますが、ニューヨークにいたからこそ日本人でよかったなと強く思えたのだと思います」

ニューヨーク生活を経験したことで気づけた日本の良さは「気遣いやおもてなしの部分かなと思います」とのこと。「どこに行ってもみんな気遣いができていて、それが当たり前という文化は素敵だなと。1人の女性としても細やかな気遣いができる人になりたいという思いはすごくあります」と気遣いを大切にしている。

また、ニューヨークで学んだことで今も大事にしていることを尋ねると「自分らしさ」と答え、「1人だけ日本人だったので自分が発信しないと埋もれてしまう。みんな主張が強く、イエス・ノーがはっきりしているので、私も思ったことを発信するようになり、それが自分らしさになっているのだと思います。思ったことが口から出ちゃいますね(笑)。でもみんな主張するからには責任をもって話していて、そこも含めて学びました」と語った。

帰国子女の人で、海外と日本の差に戸惑ったという人もいる。河北も「悩んだ時期はありました。日本の学校に通っていて、周りからの目線が気になって。一番仲いい友達が男子だったんですけど、高校生ってそれだけで『あの子なんなの?』となったりして、見られているなと思ったときがありました」と打ち明けるも、「私の場合は16歳まで向こうにいたので変えることができませんでした。諦めました!」と笑う。

そして、「今は、その強さがバラエティなど仕事に強みになって生きている。私のコメントを皆さんがおもしろおかしくしてくれて。その個性を失わないままここまで来られたからこそ仕事ができていると感じています」と自身の武器に。「家族も『麻友子は麻友子のままでいいから』という感じでしたし、事務所ものびのびとさせてくれたので」と周囲に感謝する。

そんな河北から見て、日本人が変わった方がいいと思うことを尋ねると、「良さと紙一重だと思うので難しいですけど」と前置きした上で、「自分らしさを失わないようにしてほしいなと。学校や社会など何かの一部になったときに自分らしさがネガティブに捉えられることがあると思いますが、自分らしさを大切に突っ走ってほしい」とアドバイスを送った。