――松井さんは、先ほど「ウソがつけない」と言われていましたが、やはり役の心情に納得できないと演じられない感じですか?

松井:そうですね。私は器用じゃないので、役の心情を理解してからじゃないとできないんです。だから、そういう点でも笠松さんにはすごくサポートしてもらい、本当にありがたかったです。

笠松:いえいえ、そんなことを言っていただけて、ありがとうございます。僕は、主人公がふとしたときに見せる弱みみたいなところが結構好きなんです。例えば、仁美ちゃんが自分はどうすればいいんだろうと迷って、居酒屋で酔っ払うというシーンがありましたが、同じように松井さん自身もすごく悩まれていました。でも、僕からすればそんな松井さんだからこそとても魅力的に見えたし、一生懸命演じている姿を見て、自分も一生懸命頑張ろうと思わせてもらえたんです。そのシーンがどんなふうに仕上がっているのか、すごく楽しみです。

松井:あのシーンは、本当に優しく包み込んでいただいた感じでした。

■実際に起こり得なくはない話

――劇中で4人が口にするセリフの数々がそれぞれにリアルで、織りなす恋模様にも非常に共感できました。

松井:結婚するには、セクシーさ、お金、尊敬が必要というこの3つの要素はとても印象に残っていますが、実際、皆さんはどんなふうに捉えるのだろうと思ってしまいました。また、離婚率が3組に1組とか、実際に起こっている問題についても触れるセリフが多かったので、そこも考えさせられました。

笠松:僕は4人の乱れる恋模様には、いずれも共感できました。仁美の場合、結果は考えないけど、自分の気持ちには正直にいたい、圭吾は今まで築いてきたものをどうにかして維持したい、まなぶは今起きてることに戸惑いながらも元に戻そうとする、麻衣は今起きたことに対してリアクションしていく。全部めちゃくちゃ理解できるんですが、正解は分からないんです。

松井:結婚が決まっているのに、他の人に心が揺らぎたくはないけど、これって実際に起こり得なくはないなとも思いました。仮にそうなったとして、自分ならどっちを選ぶのかなと考えたとき、なかなか決められないですよね。だからきっと、私も仁美と同じようにすごく悩むんだろうなと。でも結果を出すのは自分ですし、すごく難題だと思いました。

笠松:そうですね。一歩踏み出すのか、今の相手を大事にするのか、腐れ縁でいるのが良いのかとか、本当に答えが出ないので、このドラマはそういうことを考えるきっかけになったなという感じです。そこはさすが野島さんの脚本だなと感服しました。

――最後にこれからドラマを見る方々へのメッセージをお願いします。

松井:仁美はまなぶと圭吾との関係に悩みながら、最終的にセクシーなまなぶと、婚約者である圭吾とどちらを選ぶのかを予想していただきつつ、皆さんだったら果たしてどちらにするのかな?と考えていただければ楽しいかと。また、登場人物みんなのキャラクターが濃いし、物語もリアルなので、そこも含めて楽しんで見ていただきたいです。

笠松:僕はとにかくこのドラマを全力で楽しみにきてほしいです。そしてこのドラマを見て、僕のことを少しでもカッコいいと思ってもらえたら、あなたはもうどんな状況でも幸せに生きていけると思います(笑)。そんな幸せのつかみ方をレクチャーしてくれるような作品なので、ぜひ優しい気持ちで見てください!

●松井愛莉
1996年生まれ、福島県出身。主な映画出演作に『フォルトゥナの瞳』『どすこい!すけひら』『癒しのこころみ~自分を好きになる方法~』『砕け散るところを見せてあげる』などで、9月23日には『総理の夫』が公開。近作のドラマは『社内マリッジハニー』『Re:名も無き世界のエンドロール~Half a year later~』『福岡恋愛白書16クリスマス狂想曲』など。

●笠松将
1992年生まれ、愛知県出身。近年の主な出演作品に『君と世界が終わる日に』『全裸監督 シーズン2』『君は永遠にそいつらより若い』など。10月1日に映画『DIVOC-12「ココ」』が公開、12月にドラマ『岸辺露伴は動かない』が放送予定。来年2月に主演映画『リング・ワンダリング』が公開、春に『TOKYO VICE』が放送・配信決定。