――ここまでお互いの担当番組について中心にお話を伺ってきましたが、最近他にも気になる番組はありますか?
米田:僕はゴールデンの中では『沸騰ワード10』(日本テレビ)が気になります。この前、図書館の司書さんが、寄せられた疑問の答えを図書館の本の中から調べるというのをやってたり、伝説のハンコ屋と珍しい名字の対決とか、崖っぷちの客が来るクリーニング屋とか、そこにドラマやストーリーがありそうな“点”を探す嗅覚がすごいですし、一見地味な題材でもちゃんとゴールデンで見せきるエンタメに引き上げられてますよね。なかなか、図書館の司書さんやハンコ屋さんを、ゴールデンのソフトでやろうと思わないですもんね。その掘ってない“点”へ行くのがすごいなと。
――「伝説の家政婦・志麻さん」を紹介したのも、あの番組ですよね。
米田:あと、僕は『帰れマンデー』という番組で、飲食店がなさそうな場所でお店を探す企画をやってるんですけど、『バナナマンのせっかくグルメ』(TBS)で、地元の方に「ここに来たらあの店に食べに行くべき」というのを聞いてロケしてるのを見て、「こんなにも会議で近くを通ってた企画があったのか!」と思いました。“飲食店を探す”ということに、いろんな目線を付けられないかと、無人駅とか秘境バスルートとかいろいろ考えてきたけど、単純に地元の方におすすめの店を教えてもらうっていう方法があったんだと。しかも、地元の方に聞いて、あとはお店の許可をもらって直接行けばいいじゃないですか。僕らの番組だと、タカトシさんやサンドさんは1日中、山道を歩き回って探す過酷なロケになっちゃってて、『せっかくグルメ』の手法をもし見つけられてたら、もう少し楽させてあげられたのに、ちょっと申し訳ないなって(笑)
木月:やっぱりそこのハードさに“友寄塾”が出てますね(笑)。そういうのありますよね。ちょっと違う題材ですけど、『プレバト!!』でバナナアートをやっていたときに、自分の曜日の『いいとも』でバナナアートを1回やったことがあったなあと思い出したんですよ。でも、そこからあの『プレバト!!』のような完成形には昇華できなかったなかったなあと反省して。
米田:ありますよね。「そこの道通ってた!」とか「その引き出し開けてた!」みたいなことって。
■「ダーツの旅」に見る“ハードルを下げる”作業
――加藤さんは気になる番組、いかがでしょうか?
加藤:『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ)がずっと好きで見てるんですけど、あの番組って最初から「クランクアップ」とか「閉店ガラガラ」とか「モニター横芸人」とか、ずっとブレずにやってるのがカッコいいなと思うんです。『笑ってコラえて!』の「ダーツの旅」も第1回の放送からやっていて、ブレずに長く続ける番組って格好良いし、そういう番組に憧れます。
米田:どこかロケに行く企画を考えるときに何か偶然性を持たせたいとなると「あ、ダーツだ!」ってあの完成形に結局ぶつかるときがあるんですよね(笑)。やっぱり所(ジョージ)さんみたいな強い存在が放ったダーツの刺さったところに「行かされる」という偶然性が、ハードルを下げることに必要なんでしょうね。
加藤:「そこには何もない」と思わせるために、ダーツでハードルを下げているということですよね。
米田:そうそう。「いってらっしゃい」っていうあのフレーズも、全部大事なんだなと思います。
木月:ハードルを下げる作業というので『いいとも』のとき教わったのは、「そっくりさん」のコーナーで、いきなり本人が登場するんじゃなくて、必ず「紹介者」が出てくるじゃないですか。あれは、その「紹介者」が似てると思ってるだけなんですよ、というのを伝えることでハードルを下げてるんですよ。
米田:他薦である意味があるんですね。やっぱり考えられてるんだなあ。