――不破を演じる前と、演じた今とでは、岡田さんの中でどんなことが変化したでしょう。

今まで僕が演じてきたキャラクターの中でも、ダントツで濃いですし、演じた期間も長い。どんな役でもそうなんですけれど、作品を作り上げていく中で、どこまで自分の意向が入るかが重要だと思っていて、その点で言えば不破諫は「自分で作り上げたキャラ」という感覚があります。もちろん、共演者のみんなや監督、スタッフさんたちと一緒に、役を作り上げていったところもありますけどね。とても思い入れの強い役を作ることができた、そういう役にめぐりあえることもあるんだなと知ったのが、諫を演じて大きく変わったところですね。

――「ゼロワン、終焉――。」のキャッチコピーが示すとおり、不破を演じる岡田さんにとっても最後の『ゼロワン』になるようですが、最後ならではの演技のこだわりはありましたか。

とある重要なシーンを撮影したのですが、その出来が自分にとって納得のいくものではなかったので、監督にお願いして後日撮り直してもらいました。監督も「そのほうがいい」と言ってくださって、助かりました。自分としては、何事にもこだわるのはいいことばかりではなく、自分が引っかかっていることでも観ている方たちにはそれが何なのかわからないかもしれない……と頭では理解していました。しかし、「俺はこうと決めた道を突き進む」というのが諫のキャラクターでしたし、それを最後の最後まで通すことができたのは、自分にとってもよかったと思っています。撮影の日はロケバスに1人で乗っていて、目的地に向かう途中「これで諫ともお別れか……」と思ったら、少し涙が出ましたね。現場に着いて、メイクを直してもらっているときも鏡を見つめて「諫よ、さよなら……」なんて、胸にこみあげるものがありました。みなさん、諫の“最後”の表情をどうぞ注意してご覧ください。すべて“やり切った”という表情が、僕自身の思いとリンクしているはずですから。

――諫はエンドロールでも印象的な登場の仕方をされていますね。

作品の最後の部分ですので、そこには「仮面ライダー」という大きな役を終えて去っていく岡田龍太郎、という思いを込めています。僕が芸能界に入ったのも、仮面ライダーを演じたいと思ったのがきっかけですしね。ぜひエンドロールまで、つぶさに観ていただきたいですね。

――最後に、『仮面ライダーゼロワン』ならびに仮面ライダーバルカン/不破諫を愛してくださったファンの方たちに、ひとことメッセージをお願いします。

『滅亡迅雷』から『バルカン&バルキリー』まで追いかけてくださったファンのみなさんは、本当に『仮面ライダーゼロワン』および不破諫、刃唯阿を愛してくださった方たちだと思います。最後まで見届けてくださり、ありがとうございます。僕たちが1年以上の間頑張ってくることができたのは、『ゼロワン』を愛し、応援してきたみなさんのおかげです。諫という役について、SNSではいつもあたたかな反応をもらいましたし、僕もその応援の声を糧にして、やってきました。『ゼロワン』は終わりますけれど、岡田龍太郎としてまだまだこれからもいろいろな場所でみなさんとお目にかかりかかりたいので、これからも応援してくださると嬉しいです。