夏休みの宿題といえば「自由研究」。研究テーマが見つからず、頭を抱えたあの日々も今となってはいい思い出だ。8月末までと長かった学生の夏休みを懐かしみ、羨ましく思っている社会人は多いのではないだろうか。
そこで今回は「大人の自由研究」と称し、大の大人が本気で生み出した、イカしたコンテンツを紹介していこう。
くら寿司が独自開発した「皿カウンター水回収システム」
今回の研究テーマは【くら寿司のお皿を流すやつ】。くら寿司が独自開発した、自動で「空き皿回収」と「会計金額の計測」をこなす便利なシステムだ。
……実際、あれの裏側ってどうなっているんだろうか。くら寿司のスタッフさんにお話を聞いてきた!
皿カウンター水回収システムとは
くら寿司のテーブルに設置されているお皿ポケットの名前は「皿カウンター水回収システム」。使用済みのお皿をこちらのポケットに入れるとお皿はレーン下に流れる水の揺られ、キッチンの洗い場に届くのだそう。
そして流されたお皿がバックヤードに到着すると、スタッフによって専用食洗器に移され、自動的に乾燥した状態になって出てくるとのことだ。
こちらはE字になったレーンの下を流れており、すべてがバックヤードの排出口につながっている。流れる除菌水は常に循環されており、お皿の込み具合によって水量調節も可能とのこと。
さらにお皿を入れる投入口は開くことができ、テーブルメイキング時には、そこから湯吞みやどんぶり等も流しているという。
くら寿司では、こちらの技術導入によってテーブルメイクにかける時間が大幅に削減され、さらにはお皿の回収効率が高まってストック皿がかなり削減されたんだとか。卓上にお皿がかさばらないという来店客のメリットはもちろん、店舗スタッフの業務も大きく効率化したそうだ。
設置のきっかけは大食いのお客さんの一言?
1995年の導入以降、くら寿司のパフォーマンスを大きく向上させた同システムだが、なんと導入するきっかけとなったのは『お客さんからのお悩み相談』だったそうだ。
「皿カウンター水回収システム」が導入される以前は、食べ終わったお皿は卓上で重ねておき、お会計金額はその枚数から、スタッフが計算してくれていた。……つまり、周りからお寿司を何皿食べたか他のお客さんから丸見えだったのだ。
それに対して不満を感じる来店客は多かったようで、「お皿を山積みにしているのが恥ずかしい」「大食いだと周りに思われそうで嫌だ」という意見が多く寄せられていたのだそう。そこで、その現状をどうにかできないかと考えたくら寿司が、開発に臨んだそうだ。
業務効率化が目的ではないことにも驚きだが、「ちっちゃなお悩み」程度の要望に全力で答える会社の姿勢がシンプルにすごい。
さらに、いざシステムを導入してみると、子どもが遊び感覚でお皿を片付けてくれるとパパママ層からの反響がかなり大きかったそう。そこで、より楽しめるようにと「ビッくらポン! 」が導入された。
日々来店客からの声を聞き入れる姿勢は、社会人が見習うべき姿勢なのかもしれない。「皿カウンター水回収システム」と「ビッくらポン! 」、どちらも非常に便利で革新的なシステムだが、筆者はお皿を流す際、いつもこんな悩み持ってしまう。
「えびのしっぽ、お皿と一緒に流していいの? 」
早速担当さんに聞いてみた。