想像をはるかに超えるびっくりなお店=オモてなしすぎでオモしろいウマい店=“オモウマい店”を、粘りに粘るリサーチと取材スタイルで紹介していく中京テレビ・日本テレビ系バラエティ番組『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(毎週火曜19:00~)。
毎週、破格の値段や量の料理、そして個性的なキャラクターを持つ店主たちをスタジオで見守るヒロミと小峠英二(バイきんぐ)は、収録のたびに「何なんだこの番組!」「このテレビ何だよ!?」と、取材スタイルやVTRの編集にも驚かされている。
極端に少ないナレーション、派手に装飾しないテロップ、タレントではなくスタッフがレポート、食べるお客さんをひたすら映す……テレビ界の常識を打ち破ったとも言われる独特な番組演出について、2人に演者としての実感を聞いてみた――。
■スタッフの嗅覚が革新的
「満腹の人にずっとスポットを当てたり、とある少年がソフトクリーム食べてるのを長尺で流したりする番組なんてないですよね。今までいろんなグルメ番組があって、そんな場面に遭遇はしていたはずなんですけど、そこをあえて切り取ろうとはしなかったわけじゃないですか。ここが面白いんじゃないかと撮ってくるスタッフさんの嗅覚が革新的ですよね」と、うなる小峠。
続けて、「ちょっとヤンチャなお客さんも結構出てきて、普通だったら『変なやつに絡まれたら嫌だな』と思って他のお客さんに行くところを、そんなお客さんも面白がる。それで実際に撮って流してみたら、やっぱり面白いんですよね。これはスタッフさんの感性がすごいんですよ」と重ねて評価した。
さらに、小峠は「何がすごいってこの番組、情報ゼロですもんね。味付けの仕方とか隠し味とか、そういうのゼロですから」と驚き、ヒロミは「音声もガシャガシャ、ガーガーいって良くないんだよな(笑)」と指摘。小峠は「ノイズ混じりなんですよ。もっといい機材があるだろ(笑)」と、たまらずツッコミを入れた。
■今までやってきたテレビの手法が入ってない
ヒロミは「ナレーションも『続いては、このお店』とかくらいだし、テロップもあんまり出てこない。今までやってきたテレビの手法が入ってないから面白いのかな」と分析。
ナレーションがほとんどない分、放送ではVTRを見ているスタジオのリアクションが多く使われることになるが、コメントに困ることはないという。その理由は、ヒロミいわく「“魂の叫び”だから」。
「本当に家でテレビ見てる感じなんですよ。視聴者の人と同じところで同じように思ったことしか言ってないから、何も考えずにコメントしてるんです」(ヒロミ)
加えて小峠は「こういうVTRを見る番組って、スタジオに降りてきたときにコメントを求められるから、VTRを見ながら何となく印象深いことについて3つくらいコメントを考えて、それを覚えながら見るという作業をやってるんですけど、この番組はVTRの途中でスタジオに降りてこないから、コメントを考える必要がないんですよね。その場で思ったことを瞬時に言うだけだから、ヒロミさんがおっしゃった通り、本当に“魂の叫び”なんですよ」と解説。
ヒロミは「スタジオに降りたときに考えてた同じコメントを先に言われちゃうと、『あ、違うの思い出さなきゃ』ってなるときもあるし、それって実はすごい面倒くさいの(笑)。だからゲストに来てくれる皆さんも、この番組は楽だと思う。本当に“魂の叫び”だから(笑)」と力説した。