今年1月に出演したバラエティ番組『今夜くらべてみました』で、菅野がファンだったお笑いコンビ・マッチポンプのことをイベントの一幕で何気なく発言したことで、すでに解散して生活が荒んでいた彼らを奮起させていたことを知り、「全菅野が泣いた!」と涙したのが話題となった。自身も、何気ない一言で救われた気持ちになった経験があるという。
「スーパーで子供がどうしようもないくらい泣いてしまったときに『あら、泣いてるじゃない』と言われて、ものすごく追い詰められたような気持ちになったんです。一方で『元気な泣き声でいいわね。たくさん泣くと肺が丈夫になるのよ』と言ってくださった方もいて、同じ状況でもかけてもらう言葉で全然違うなと思いました」
こうした経験を通じ、「言葉の持つ力というのを、改めて知ることができました。特に『24時間テレビ』というのは、見てくださる方の心の中に、何かを残していける番組だと思います」と多くのメッセージを伝える役割を自負しながら、「生放送で途中眠くなって、訳の分からないことを言っちゃうかもしれないので、そこは(総合司会の)羽鳥(慎一)さんや水卜(麻美)さんに『今、大丈夫でしたか!?』って確認しながらやらなきゃなと思います(笑)」と心配事も打ち明けた。
■コロナ禍の開催…寄り添う『24時間テレビ』に
コロナ禍での開催となる『24時間テレビ』について尋ねると、「12年前に参加したときのポスターは、みんなで壁に穴を開けて飛び出していくという勢いのあるデザインだったんですけど、今回はみんなで同じ方向を見つめているんです。その先にあるのは、コロナが終わった後の世の中だと思うんですけど、何かを打開しようというより、みんな我慢して頑張っているから共感していこうという思いが伝わってくるんですよね。これこそが、今の世の中で皆さんが心の中で求めていることかもしれないなと感じたので、熱くチャリティーを訴えるというよりは、寄り添っていくような『24時間テレビ』になるのかなという感じがします」と期待。
制作発表会見では、徳光和夫に自由奔放な活躍を期待されていたが、『24時間テレビ』放送中の8月22日に誕生日を迎える菅野は「かつては自由にやらせていただいていた部分もありましたが、一つ歳を重ねるので、しっかり頑張りたいと思います」と、笑顔で答えてくれた。
●菅野美穂
1977年生まれ、埼玉県出身。92年にデビューし、95年のNHK連続テレビ小説『走らんか!』で注目を集める。『イグアナの娘』『大奥』『愛し君へ』『働きマン』『砂の塔~知りすぎた隣人』『ひよっこ』『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』などのドラマ、『ジーン・ワルツ』『奇跡のリンゴ』『明日の食卓』などの映画に出演。21年の『24時間テレビ』で、09年以来12年ぶりにチャリティーパーソナリティーを務める。