日本テレビ系大型特番『24時間テレビ44』(21日18:30~22日20:54)にチャリティーパーソナリティーとして参加する女優の菅野美穂。この大役を務めるのは12年ぶりになるが、今回は母親という立場になったことで、前回とはまた違った心境で臨んでいる。

そして、様々な場面で「言葉の持つ力」を実感した今だからこそ、『24時間テレビ』という番組でたくさんのメッセージを伝えることの意義も感じているようだ――。

『24時間テレビ44』チャリティーパーソナリティーの菅野美穂 (C)NTV

『24時間テレビ44』チャリティーパーソナリティーの菅野美穂 (C)NTV

■“関心を持つこと”の大切さを知る

今回のオファーを受け、「子供にまだ手がかかる時期なので、正直無理じゃないかなという気持ちがあったんです」という菅野。それでも、「スタッフの方から『できる範囲で大丈夫です』と言っていただきまして。それに、毎日子供の世話に明け暮れて、なかなか近視眼的なものの見方になっている中で、未来を生きる子供たちを育てていると、世の中のニュースや社会のことなど、伝えたいことがたくさんあるなと母親として感じ、参加させていただけるのは本当に光栄だなという思いに至りました」と決断した。

チャリティーパーソナリティーを務めるのは、2009年以来12年ぶり。前回は、カンボジアで幼児売買の実態をレポートし、「日本とはこんなに違う現実があるんだなと感じ、胸が痛くなったのを覚えています」と振り返る。

そこから、「私にできることはなんだろうとすごく考えるようになって、“関心を持つこと”の大切さを知りました。関心を持つというのは、時間がなくても、お金を使わなくてもできることだから、まずは頭の中でそういう意識を持つことがすごく大事だなと感じたんです」と強調。

「当時は放送の後にも、施設に寄付を持って行ったりすることができたんですが、結婚して子供を持つと、今頑張るべきことが子供を育てることになってしまい、カンボジアに足を運ぶというのも難しくなってしまったんです。でも、長い人生の中で、『自分ができることをやらなければいけない』と責任を感じすぎずに、まずは関心を持って考えていけばいいんだというのが、前回の『24時間テレビ』に関わらせていただいて身に付いた考え方ですね」と、その思いに至った背景を明かした。

■「インクルーシブ学童」で学びと元気をもらう

今年は、障がいを持つ子とない子が混ざり合って共に教育を受ける「インクルーシブ学童」の取り組みをレポートする。末娘がアンジェルマン症候群という知的障がいを持ち、成長するにつれて他人と関わる中で差別や偏見を受ける現実を目の当たりにした五本木愛さんが、神奈川・横須賀に設立した施設を訪れた。

今回の取材で「インクルーシブ学童」という言葉を初めて知ったというが、「先生方がいろいろ神経を使って大変じゃないかと思いながらお邪魔したんですけど、その想像とは全然違って、皆さん伸びやかで、子供それぞれの笑顔が本当に輝いていたんです。言葉で『こうしなさい』って教えられるんじゃなくて、お友達と一緒に遊んでいく中でお互いの違いを理解して、支え合っている様子を見て、改めて子供は大人が思っている以上に柔軟だなと思いました。あの施設を見ていると、1つの部屋に社会をそのままギュッと凝縮したような感じがしたんです。違いを個性としてそれぞれが受け止めている様子が素晴らしいなと感じ、子供たちから私が教わることもたくさんありました」と、学ぶことが多かったそうだ。

  • 菅野美穂が訪れた「インクルーシブ学童」取材の様子 (C)NTV

子育てに没頭する中で、ものの見方が近視眼的になってしまったと反省していた菅野だが、今回のレポートは、母親という立場だからこそ伝えられるメッセージもあるだろう。

「五本木さんは子供が6人もいらっしゃるんです! 育児をしていく中で、子供のことがかわいいというのは大前提なのですが、それでも毎日の日常を重ねて、同じことの繰り返しになると心が疲れてしまうところもある。でも、言葉で押し付けるんじゃなくて、行動で示すということもできるんだと、今回は母親としてのお話もいろいろさせていただきました。五本木さんの行動力に私も元気を頂きましたし、このVTRを見てくださったら、きっとたくさんのお母さんに共感していただける部分があるんじゃないかなと思います」と期待を込めた。