――コロナ禍で無観客のライブも体験されたと思いますが、今回の「THE EMPTY STAGE」は有観客です。お客さんがいるといないとでは、やはり違いますか?

亜生:お客さんがいるから生まれる笑いがある。リモートや無観客のライブもありましたが、ここ最近は100%ではなくてもお客さんがいてくれて、みんなで作っていくのは最高やなって。そのほうが楽しいので、お客さんはめっちゃ大事やなと思います。

ゆりやん:私も人生即興劇場みたいなところがあるので、「どんな環境でも楽しみ!」って思うんですけど、やっぱりお客さんがいてくださったらアドレナリンが出るというか、同じ空間で反応をいただけるのは楽しいし、ありがたいし、うれしいです。

――ゆりやんさんは平場でも即興をされますが、お客さんの反応を見て変えていますか?

ゆりやん:即興っていいように言っていますけど、「見切り発車やないか」と言われたらそれまでで(笑)

亜生:それがすごい! ゆりやんは、見切り発車でも形にできる。

ゆりやん:いやいや、助けていただいて。このくだりあかんからこっちに変えようかとか、今日のお客さんやったらこっちかなというのは……一切ないです(笑)

亜生:ゆりやんがすごいのは、お客さんもその空気にさせること。

ゆりやん:ミキさんこそベテランです!

亜生:『ENGEIグランドスラム』で僕らの漫才が終わったら、ゆりやんが袖でバッと来て、「ベテラン」って(笑)

ゆりやん:すごかったんですよ。しばらくお会いしてなくて、久しぶりにネタを見させてもらったら、ベテラン! すごい! って。これは言わなあかんと思って。

――ゆりやんさんがベテランと感じたミキさんのすごさとは?

ゆりやん:同世代の人たちはだいたい、ネタの前に「〇〇です。お願いします」って言うんですけど、ミキさんは「あの~」って(自己紹介しない)。

亜生:ハハハ! それはアイツ(昴生)がしたがる!

ゆりやん:あれが、いとし・こいし師匠を思い出させるんです。漫才してますっていうのではなくて、兄弟の話を2人が急に始めたみたいな、それがすごいなと思って。この間、収録で見たときにまた引き込まれました。

亜生:「どうも~ミキです」が恥ずかしくて。後ろに「ミキ」って書いてあるのにおかしくないですか? 二度手間やん。時間がもったいない。

ゆりやん:私は名前が出てたら、「たぶんなんですけど、ゆりやんレトリィバァです」って言います(笑)

亜生:それもボケにできたら最高。ゆりやんは舞台にあるものをすべてボケにするので素晴らしい!

ゆりやん:ミキさんは、最後もはっきり言わないですよね。

亜生:普通の漫才師は「もうええわ、どうもありがとうございました」って終わりにするけど、お兄ちゃんはいとし・こいし師匠好きだから、「もうええわ」ってはっきり言わないで終わりにする(笑)

――ゆりやんさんは今年、『R-1グランプリ』で優勝されましたが、意識的な変化はありますか?

ゆりやん:あまりないですけど、絶対『R-1』優勝したいと思っていたので、ふとしたときに『あ、私R-1もらったんや』と思ったりします。『R-1』が目標になりすぎて、優勝してネタとか作らなくなったらどうしようと思っていたんですけど、まったくそんなことなくて、逆に新しいスタート、ここから自由、みたいな感じで、ネタをいっぱい作りたいと思えたり、新しいことにいろいろ挑戦したいと思えるようになりました。

亜生:『R-1』のゆりやんのネタは、ゆりやんが今までやってきたことがギュッと凝縮されていて、平場も含めてすごいなと。「これすげー!」って途中で鳥肌立って。僕はゆりやんを1年目から知っているので、「すごいなゆりやん!」って感動しました。僕の中で圧倒的一番での優勝でした。

ゆりやん:うわ~うれしい! ここ見出しでお願いします!(笑)

なお、公演は、新型コロナウイルス感染拡大防止の安全対策を行った上で、会場への入場者数を制限したライブ公演のほか、オンライン配信も実施する。8月17日13時公演は配信はなし。