――発売中のDVD『M-1グランプリ2020~漫才は止まらない!~』だけでなく、スピンオフDVD『M-1グランプリ2020 スピンオフ マヂカルラブリー漫才論争へのアンサーLIVE』が8月18日に発売されますが、そこでは「漫才か漫才じゃないか論争」に自ら終止符を打つそうですね。
野田:漫才だ、漫才じゃないなど、どれだけのパターンがあるのかなと思って表を作ったら、すべての漫才師の漫才がその表の中に当てはまる、そういうものが作れました。でも、ほぼほぼみんな漫才だったなと思います。
――漫才の定義とそうやって向き合ってみてよかったなと感じていることは?
野田:この表を見てから『M-1』を見る人がいると思うと笑けてくるというか、ざまあ見ろって(笑)
村上:みんなごめんねって(笑)
――どういうことでしょう?
野田:この表は、漫才を冷めた目で見た時に作れるものなので、これを踏まえると漫才がつまらなくなると思います(笑)。審査員やこれからM-1に挑みたいNSC生が見るべきもので、お客さんは見ないほうがいいです。
村上:プロ向け、業者向けですね。
野田:ただ、漫才は面白ければいいという大前提を取っ払ってこの話をしているんだよと、そこは理解しておいてほしいです。
村上:そもそも『M-1』の審査基準はそれですからね。面白ければ何でもよかったわけなんですよ。
――それにしても漫才論争、このスピンオフDVDを含め、お笑い界に何かしらを投じますよね。
野田:投じているつもりはないんですけどね(笑)。ただ、あの時も漫才ではないという批判は、来そうだなとは思っていましたよ。逆に言えば、そういう漫才ですから。そんなの漫才じゃないだろ! ってなる面白さの笑いを審査員に届けていたところはある。
村上:今田耕司さんなどは「しゃべってないやん!」で笑っていたわけですから。そういうものなんですよね。
野田:ある意味、『M-1』そのものをフリにしているわけですから、そりゃそうだろうと。だから「あ、論争になっちゃったんだ」と思いました。素直にわからないから面白くないでいいのに論争になっちゃったので、漫才について考えなくちゃいけないなと。
――それで今回の企画が生まれたわけですね。
野田:まあ、マイクが立っていれば漫才ですけど。芸人で「あれは漫才じゃない」と言った人はほとんどいないんですよ。
村上:漫才じゃないかどうかを言いたくもないと思うんですよ。もともと漫才だし。
野田:そもそも僕らの漫才は、そういうレベルじゃないんですよ。漫才かそうじゃないかの論争になるくらい極めているわけでもないので。
――なぜ論争になったのでしょう?
村上:単純に勉強が足らんすね。論争をしたいのであれば、もっと深く勉強をしたらいいです。
野田:料理に木の枝を入れただけで料理じゃないと言っているようなものです。まだまだ深いぞと。
村上:でも僕らなりの解釈なので、「何言ってるんだ、こいつら!」と言い出す人もいるかもしれない。基本的に定義はないので、そこは結局のところもうわからないですね。