ライス

ライスに関しては、その時の現物のコンディションによるところがかなり大きいと思うんですが、体感では「松屋>すき家>吉野家」順にやわらかい炊き上がりに感じました。

特にやわらかく感じた吉野家もホームページには「タレがしっかり染みとおる、少し硬めで粘りが少ない米」と表現されているとおり、タレが滲みこむことを考慮して、各社「やや硬め」を意識していることは変わらないようです。タレ多めが好きな方は松屋のライスが1番相性がいいのかもしれません。

紅ショウガ

  • (左から)すき家、松屋、吉野家

すき家……歯ごたえを強く感じた。やや酸味が強め
吉野家……歯ごたえがやわらかく感じた。やや苦みがある
松屋………歯ごたえはあったが、サクサクと軽め

歯ごたえのあるすき家と松屋に対して、吉野家のみがやわらかい印象でした。すき家はタレも甘めで主張が強いので、味も歯ごたえもインパクトを持たせてくる組み合わせになったということでしょうか。色だけでいうと、すき家は、やや赤みが明るい色な気がしますね。生産国は、吉野家のみがタイ産で、すき家と松屋は中国産でした。

七味唐辛子

  • (左上から時計回りに)すき家、吉野家、松屋、松屋の黒ゴマ焙煎七味

付け合わせとして紅ショウガと双璧をなすのが七味ですね。これは並べてみるとかなり個性がありました。そもそも色が全然違います。

すき家……唐辛子の主張が強く赤い
吉野家………やや鈍いオレンジ色。少し緑っぽい
松屋……鮮やかなオレンジ

味で比較すると……、

すき家……唐辛子の辛み
吉野家……辛さ控えめ。青のりの香り、陳皮の華やかさ
松屋………唐辛子の苦み、ゴマの香ばしさ、青のりの香り

成分は…、

すき家……唐辛子、陳皮、ゴマ、あおさ、ケシ、山椒、生姜
吉野家……陳皮、唐辛子、ゴマ、あおさ
松屋………陳皮、赤唐辛子、黒ゴマ、しけの実、あおさ、山椒、生姜
松屋(黒ゴマ焙煎)……黒ゴマ、唐辛子、山椒、あおさ、白すりゴマ、ケシ、陳皮

すき家はここでもインパクトを重視。ガツンと唐辛子を押し出してきます。驚いたのは、吉野家の七味は7種入っておらず、かなり意外でした。というか「七味」じゃない。陳皮(みかんの皮)の割合の高さも、独特の華やかな香りが決め手だったんですね。

総括

■すき家

  • すき家

ボリュームたっぷりで最強のコスパを発揮。薄めのタマネギにやや甘めのタレがしっかりしみこんでいるから濃い味わいで一口一口を楽しむことができます。酸味と歯ごたえの強調された紅ショウガと、辛さが強調された七味がしっかりと脇を固めます。

■吉野家

  • 吉野家

牛肉とタマネギそれぞれの味をしっかり感じたいのであれば吉野家がオススメ。少し柔らかい紅ショウガは、控えにメインを引き立ててくれます。陳皮の爽やかで華やかさのある香りの七味も特徴的です。

■松屋

  • 松屋|

絶妙の赤身と脂のバランスのやわらかい牛肉の食感と、厚めにスライスされたタマネギの歯ごたえの相性が抜群。途中でノーマルの七味から黒ゴマ焙煎七味に味変して2度楽しむこともできるのが、グッドですね。

と、かなり主観が入っているレビューですが、せっかく構成要素が少ない牛丼なので、バラせるところはバラして比べてみました。よろしければ読者の皆さんも食べ比べしてみてはいかがでしょうか。それではよき牛丼ライフを。


文=古屋敦史、構成=小山田滝音(ブラインドファスト)