『ドラえもん』骨川スネ夫役から『ふたりはプリキュア』メップル役、『呪術廻戦』パンダ役……何を“代表作”と呼べばいいのか。デビューから約30年の間に演じたキャラクターは数知れず、常に第一線で活躍し続ける声優の関智一。本業に留まらず、落語家への弟子入りやコミケへの参加、YouTubeへの進出など、新しいことにチャレンジする姿もたびたび話題となっている。
現在は立て続けに“俳優としての顔”を見せており、現在放送中のドラマ『ザ・ハイスクール ヒーローズ』(テレビ朝日系 毎週土曜23:00~)では主人公の父親役、劇中に登場する『秘密戦隊ゴレンジャー』アカレンジャーの声をダブルで担当。声優界のトップオブザトップが今ドラマというフィールドに足を踏み入れる理由とは。この道を志すきっかけとなった『ゴレンジャー』との出会いや共演する美 少年の印象、豊かな人生を謳歌しているそのモットーを聞いた。
――関さんは本家のスーパー戦隊でも、誠直也さんが不在の際に『秘密戦隊ゴレンジャー』アカレンジャーの声を演じていました。『ザ・ハイスクール ヒーローズ』では、主人公の亡き父親役でヒーローに変身できるアプリを開発する真中大志役と、アカレンジャーの声役に抜擢されたことについて“運命的な役”とコメントされていましたが、改めてその思いを教えてください。
僕は子どもの頃『ゴレンジャー』をブラウン管のテレビで見ていた世代。5色のヒーローが登場するのは当時新鮮で、すごくハマりました。クリスマスプレゼントにもらったのが「ゴレンジャー隊員セット」という、おもちゃのグッズがセットになったアタッシュケース。お面やマント、武器を身につけて夕方に町内をパトロールするのが僕の日課でした(笑)。同じ年くらいの子どもに「アカレンジャーだ!」って言われたことがすごく気持ちよくて。大人になって振り返ると、それが“何かになりきる”こと、“お芝居”に興味を持ったきっかけだったので、僕の声優人生の出発点は正に『ゴレンジャー』なんです。
初めてアカレンジャーの声を演じたときには「子どもの頃に憧れていた本物のアカレンジャーになっちゃった」と感動しましたが、今回はアカレンジャーだけじゃなく、ヒーローに変身できるアプリを開発する真中大志役もできる。好きが高じて変身できる仕組みまで作ったという役は、自分がそのまま物語の登場人物になったみたい。別の世界線で生きる自分を見ているような気持ちです。台本を読んだときに「あてがきしてくれたのかな」と勝手に驚くほどシンパシーを感じました。大志は、主人公の大成くんの“今”につながる始まりの存在。その大事な部分を丁寧に作り上げられたらと思っています。
――息子役の岩崎大昇(「崎」は立つさき)さんはじめ、主演を務めるジャニーズJr./美 少年さんの印象を教えてください。
まだ全員とはお会いできてないんですけど(取材は7月中旬)、岩崎さんはとっても好青年。世代的にアニメを色々ご覧になっているようで、初めてお会いする日にメイクさんが「岩崎さんが『今日やっと関さんに会える!』って楽しみにしていましたよ」と教えてくれました。その後、僕の撮影シーンに来て下さって少しあいさつしたんですけど、子ども時代の大成くんもいたので不思議な3人での初対面になりました(笑)。岩崎さんは、好青年であり美 少年でした!
――4月期ドラマ『桜の塔』(テレビ朝日系)では捜査一課長・牧園隆文役で出演し、SNSでは「関さんがドラマに出てる!」と大きな反響が巻き起こっていました。関さん自身も身近な方から感想を聞くことはありましたか。
『桜の塔』は注目度の高い時間帯に放送されていたからか(木曜21時)、たくさん感想を頂きました。昔から知っている方なのですが、隣に住んでいるおじさんとおばさんから「最近活躍してるね! 見てるよ刑事ドラマ!」と声をかけてもらったり、親戚から家族単位で盛り上がっていると聞いたり、先輩方が久しぶりに連絡をくれたり。内藤剛志さん主演の人気シリーズ『警視庁・捜査一課長』(木曜20時)直後の放送だったので「内藤さんと同じ捜査一課長役なの!?」と盛り上がりに輪をかけていたのかもしれません(笑)。