■愚痴を口に出さない理由
――青木さんとは『火曜サプライズ』で共演していたオリエンタルラジオの藤森慎吾さんも、テレビやYouTubeで観ていると、コミュニケーション能力が高くて素敵だなと思います。身近で接していて、いかがですか?
やっぱり明るいですよね。愚痴とか後ろ暗い言葉を言っているのを聞いた事がないです。そういう太陽みたいな人は、周りに人が集まります。これはとても大事な事で、私もなるべくポジティブな言葉を口にするように気をつけています。藤森さんは天性のもので、そんな事は考えていないと思うんですけど、常に明るい前向きな言葉を話す藤森さんが現場に来るだけで、みんなが明るくなりますからね。
――青木さんは意識して、愚痴やネガティブな事を口に出さないようにしているんですか?
そうですね。元々あまり愚痴を言うタイプではなかったのですが、最初は心がけて口に出さないようにしていました。テリー伊藤さんから「より明るく見えるようにおでこを出したほうがいい」「悲しい顔よりも笑顔のほうがいい」と言っていただいた事があって、それから言葉や表情、仕草をより前向きに明るくしたほうが、自分も周りも幸福度が高いんじゃないのかなという風に思い始めました。
――大切な事ですが、忘れてしまいがちな事です。
本にも書きましたが、伊集院静さんの言葉で「人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きている」というものがあって。みんなそれぞれ、色々な悩みを抱えていると思うんです。でも言ってもしょうがない事もたくさんあると思いますし、一度の人生、明るく生きたほうがいいんじゃないかって言う風に思います。
■参考にすべきは林修先生の「聞く力」
――本の中には、話すだけがコミュニケーション能力ではなくて、聞く力も大切だと書かれていました。青木さんが相手の話を聞く上で大切にしている事を教えていただけますか?
まずは話を聞く相手の事を好きになる事です。好きな人の話って、どんどん知りたいと思って、ずっと聞いていられるんです。それはその人を取り巻く何かを好きになる事でも良くて、ファッションがいいなとか、その人が働いている会社の近くにおいしいラーメン屋さんがあるなとか。それがまず一つ大事な事だと思います。
もう一つは、相手に気持ちよく話してもらう相槌です。自分が思っているより2割大きめのリアクションをしても全く不自然にはなりません。大きなリアクションをしてもらうと嬉しくて、どんどん話したくなるものです。
――聞く力を養う上で、参考にすべきオススメの人はどなたかいらっしゃいますか?
林修先生です。林先生のインタビューはとても見ごたえがあって、先ほどお伝えした2つの事はもちろん、相手が話した事をまとめる力が秀逸です。さらにそれに加えて、歴史だったり野球だったり、自分が好きな事に例えて聞いている人にわかりやすく伝える能力が凄まじいと思います。
リアクションもしっかりされていて、相手にリスペクトを持って好きになって接している事も見ていて伝わってきますし、まとめ力に例え力、完璧だと思います。『林先生の初耳学』のインタビュー企画で、林先生がどんな風に相手の話を聞いているのかを見てみると参考になると思います。
青木源太
1983年5月7日生まれ。愛知県出身。慶應義塾大学卒業後、2006年に日本テレビに入社。『スッキリ!!』、『PON!』、『バゲット』、『火曜サプライズ』などを担当。2020年からはフリーアナウンサーとして活動し、テレビ出演のほか、数々のイベントで司会を務めている。2021年8月に初の著書『口ベタな人ほどうまくいく たった1日で会話が弾む! 話し方のコツ大全』(宝島社)を発売。