『仮面ライダーセイバー』と『機界戦隊ゼンカイジャー』、2つの“物語”で活躍するキャラクターたちがお互いの世界に入り込み、それぞれ異色のチームを結成。やがて、すべての「仮面ライダー」とすべての「スーパー戦隊」が完全に混ざり合ったとき、スーパーヒーローたちに最大の危機が到来する……。「仮面ライダー」誕生50周年と「スーパー戦隊」45作を記念したアニバーサリー映画『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』では、『セイバー』と『ゼンカイジャー』が豪華コラボを果たすほか、半世紀にわたって活躍してきた歴代スーパーヒーローの魅力を結集した、盛りだくさんな内容の作品となった。
映画公開を記念し、今回は仮面ライダーサーベラ/神代玲花役・アンジェラ芽衣にインタビューを行った。1年間にわたる『仮面ライダーセイバー』の撮影が完了(クランクアップ)した現在の心境や、ミステリアスなクールビューティーとして登場した玲花の役作りについて、そして演技初体験の現場で真剣に自身と向き合ってくれた監督諸氏に対する感謝の気持ち、思い出のスーパーヒーローや“推し”キャラクターと出会えた映画『スーパーヒーロー戦記』の注目ポイントを、クールな玲花のイメージとはまったく違って屈託のない笑顔をたたえながら語ってくれた。
――『仮面ライダーセイバー』への出演が決まったと知ったとき、どんな感想を持たれましたか。
お話をいただいたのが突然だったこともあって「ええっ!?」って声に出して驚きました。私の所属事務所(ゼロイチファミリア)では以前に黒木ひかりちゃんが『ウルトラマンZ』、桃月なしこちゃんが『魔進戦隊キラメイジャー』に出演していて、いいなあと思っていたんです。そうしたら、「次は仮面ライダー? 私?」って。でも、それまで演技の経験がなかったから、私でいいのかしらっていう思いが強くて、うれしいのとビックリしたのと、いいのかなという気持ちが混ざり合っていました。
――子どものころ、好きだった仮面ライダーはいますか?
小学生のころ、母と一緒に『仮面ライダー電王』(2007年)を観ていた思い出があります。良太郎(演:佐藤健)にモモタロスやウラタロスが憑依して、わかりやすく人格がコロコロと変わるところが母的には面白かったそうです。「仮面ライダー」という、私が生まれるずっと前から続いている歴史のある作品に出演できるなんて、うれしかったですね。
――当初の玲花はノーザンベースに突然現れ、ソードオブロゴスの剣士たちと飛羽真との絆を断ち切らせようと画策する謎めいた女性でした。クールな女性の役だと聞いたとき、どう思われましたか。
最初は不安でしょうがなかったですね。坂本浩一監督から「玲花は“クールビューティー”だからね」と言われたので、いろんな映画を観て「クールな女性とはどういうものなのか」考えたりもしました。
今、こうやってバーッとしゃべっていますけれど、クールな女性はこんなしゃべり方ではないだろうと思い、なんとか落ち着いて冷静なふるまいにしようと試みていました。撮影に入る直前、ひたすら「私はクールビューティー、私はクールビューティー……」と自分に言い聞かせていたこともありました(笑)。
でも冷静なしゃべり方というのが自分の中に定着していないので、ただの「小声の棒読み」になってしまうんですよね。かなり頑張ったつもりですけれど、普段の自分とあまりにも違っていましたから。玲花のセリフは基本敬語で、私が今まで口に出したことのない言葉が飛び出すので、言い慣れていない感がすごかったです。セリフの練習をしていて、初めて気づいたイントネーションがあって、「今まで私は間違ったまま覚えていたのか」なんて、愕然としたこともありました。
――ご自分の演技をテレビのオンエアでご覧になったときの感想を聞かせてください。
第9章を初視聴したときは「ああよかった。意外とヘンな風に映ってなかったかな」なんて思ってたんですよ。でも、ずっと後になってから改めて初登場のシーンを観返したら「なんじゃ、この棒読みは!?」とビックリしました(笑)。あれから何度も撮影を重ねてきた結果、ちょっとだけ芝居のことがわかるようになったのかもしれません。自分で「ヘタだなあ」と思えるってことは、それだけちょっぴり成長したのかなって思っています。