吉永プロデューサーは、ダンスによって鍛えられた菅原の体型が、キャスティングのポイントになったことを明かした。

「車椅子マラソンの選手役ということで、30歳前後の車椅子アスリート的な雰囲気を出せる方はどなただろうかという話になりまして。いわゆる普通の女優さんだと、体格的にはスリムな方が多いけど、菅原さんなら常に体を鍛えているので、スポーツをやっているという雰囲気が出せるんじゃないかと思いました。実際に『いだてん』でアスリート役を演じていたのを観ていますし、『いだてん』のメンバーも『おかえりモネ』のチームに入ってますので、じゃあ菅原さんにお願いしよう、となった次第です」

菅原は「私はダンスでもすごくテクニックがあるほうだと思ってなくて、どちらかというと魂先行でやるタイプです」と言っていたが、今回の鮫島役でも、魂がこもった熱演を見せている。いい意味で暑苦しく、見ているだけでパッションが伝わってくるのだ。

また、第57回では、これまで誰かの役に立ちたいと思い、気象予報士として奮闘中の百音が、同僚の莉子(今田美桜)から「人の役に立ちたいって、結局自分のためなんじゃん」とバッサリ言われて落ち込むというシーンが描かれた。第60話で菅原が、その受け皿となる台詞をつぶやき、百音の背中を押した。

「私が100%自分のために頑張ってることが、巡り巡ってどっかの誰かをちょこっとだけでも元気づけてたら、それはそれで幸せやなって思うんよ」

それを聞いた百音は、もやもやしていた霧が晴れたように晴れ晴れしい気持ちになり、「チーム・サメジマ」を結成。きっと来週以降も、鮫島は、百音の心を大きく揺さぶる重要なキャラクターとして目が離せない。

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