もともとは俳優志望だった斉藤が、お笑いの道に進んだのは、営業マン時代の上司の一言がきっかけだったという。「俳優を諦めて地元に帰って千葉でずっと営業マンをしていて、上司から『お笑いの世界に行ってみたら』と言われたのがきっかけです。本気にしちゃって、吉本の養成所に応募しました」。
その上司は、相手の心を鷲掴みにする斉藤のトークに光るものを感じたと話していたそうで、斉藤は「自分ではわからなかったですけど、営業のときの話し方などから見出してくれたのだと思います」と感謝。「本当にわからないものですよね。全く知らない世界が仕事になることもあるんだなと……」と自分の人生ながら驚いているようだ。
お笑い芸人となってから、かつて目指していた俳優デビューも果たした斉藤。「本当に感慨深い。一度諦めていた世界なので、今こうやって演じさせていただけているのはありがたい」としみじみ。すべての経験がつながっていると言い、「コントは演技力が伴ってないと伝わらない。10代から演劇の勉強をしていたことがコントに生かされていますし、コントをやったことによって今、俳優の仕事にも生かされている。一つ一つ全部が生きている」と語る。
そして、大好きなイチロー氏の名言「遠回りこそ一番の近道」が自分にも当てはまると言い、「いろんな道を回ってきたけれど、それがすべて自分の糧になっていて、1つも無駄になっていない」と述べ、「今コロナの影響でやりたい仕事ができない状況があるかもしれませんが、目先を変えて違うことをやってみたらそれが仕事につながることもあると思う。それが向いてないと思ったらまた違う世界に行けばいいと思うので、前向きに考えてほしい」と、自身の経験を踏まえてメッセージを送った。
また、俳優業に関して「ちょっと変わった役が多い」と言い、「初めてドラマに出演させていただいたときはストーカーの役で、『そのままで演じてください』と言われ、映画で変態おじさん役を演じたり(笑)」と、ドラマ『俺のダンディズム』や映画『君は月夜に光り輝く』を振り返った斉藤。「普通の役も演じてみたいという思いもあります」と吐露しつつ、「ありがたいです。演じるのは楽しいので、どんな役でもやりたい」とやりがいは十分感じているようだ。