また、菅波を見ていると、清原も出演していた朝ドラ『なつぞら』(19)で、ヒロイン・奥原なつ(広瀬すず)の夫となった坂場一久(中川大志)を思い出す。坂場も菅波と同じように頑固で空気を読めないキャラクターだったが、徐々に誠実で情熱的な人となりが明かされていき、気がつけばヒロインの相手役として面目躍如の人気キャラクターとなっていった。2人とも、時々垣間見られる不器用さが実に愛らしい。

「菅波先生は、投げられたボールを取れないといったウイークポイントもありました(笑)。そういう点に、視聴者のみなさんが菅波にある種の人間らしさを感じ取り、それが菅波の魅力となっているんだなあと、すごく感じます」と言う吉永氏。

また、演じる坂口については「もともと坂口さんは、性格も非常に申し分ない方です」と称えたうえで「そういう坂口さんがちょっと個性的な菅波役を演じることで、やっぱり菅波はすごくいい人なんだということが、少しずつ見えていくのが、きっと観てくれている方のツボなんだろうなと。実際に視聴者のみなさんが、菅波についてSNSでいろんな反応をなさってくれていますが、それは僕が最初に想定した以上の量で、非常にありがたいことです」と喜びを口にする。

もはや菅波の、縄跳びを1日5分以上飛ぶほうがいいという百音への珍妙なアドバイスや、百音が長文で送ったメッセージに対して「がんばってください」というそっけない一言で返信してくるあたりも、すべてが菅波らしくて、ブレがないところが好感度大だ。

ちなみに、第9週の第45回で、東京行きが決まった百音が菅波に「また東京で、ばったり会えるかも」と言った時、菅原から「人口1300万人ですよ。会いたい人にそう簡単にばったり会えるような生ぬるい世界ではありません」と言い切られたシーンがあった。おそらく誰もが菅原の意見にうなずいたと思うが、そういう視聴者目線で脚本へのツッコミをあらかじめ入れておいて、あとで伏線を回収するのも、安達脚本の秀逸さだと思う。

さて、ここぞというタイミングで登場した菅波は、百音にどんな助言を与えて行くのか。そして、このあと2人の仲がどう進展していくのか注目だ。

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