日本的な情緒を感じられる邦画のサスペンス映画もとても魅力的ですが、スリリングな展開やダイナミックな映像、予想外な結末といった部分では、ハリウッド作品をはじめとする海外のサスペンス映画も定評があります。
そこで、ここからは洋画に限定したサスペンス映画ランキングをご紹介します。上位に入った作品は、いずれも名作の呼び声高い有名作ばかりとなりました。
サスペンス洋画・海外映画の名作おすすめランキング
1位『羊たちの沈黙』(1991年公開/27.1%)
2位『シックス・センス』(1999年公開/16.9%)
3位『セブン』(1995年公開/12.2%)
4位『ブラック・スワン』(2010年公開/6.3%)
5位『アウトブレイク』(1995年公開/5.5%)
6位『ミスト』(2007年公開/4.3%)
7位『スティング』(1973年公開/3.9%)
8位『ユージュアル・サスペクツ』(1995年公開/3.1%)
9位『オールド・ボーイ』(2003年公開/2.4%)
9位『エンゼル・ハート』(1987年公開/2.4%)
9位『ファイト・クラブ』(1999年公開/2.4%)
12位『グランド・イリュージョン』(2013年公開/2.0%)
13位『エスター』(2009年公開/1.6%)
14位『真実の行方』(1996年公開/1.2%)
14位『メメント』(2000年公開/1.2%)
14位『ミッション:8ミニッツ』(2011年公開/1.2%)
14位『アス』(2019年公開/1.2%)
続いて、その作品で目が離せなかった理由を作品ごとに紹介していきましょう。
1位『羊たちの沈黙』
トマス・ハリスの世界的ベストセラー小説の映画化作品。天才的な精神科医であり、凶悪な犯罪者でもある収監中のハンニバル・レクター博士。かつて彼の患者だった「バッファロー・ビル」が連続殺人を重ねるなか、FBI訓練生のクラリスは事件解決のヒントを得ようとレクターのもとを訪れる。
監督/ジョナサン・デミ
公開年/1991年
・「怖かったですが、気になって見てしまいました。当時としてはかなり斬新な映画だったと記憶しています。インパクトが強かったです」(50歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「連続殺人事件を追う女性FBI訓練生と、彼女にアドバイスを与える猟奇殺人犯で元精神科医との奇妙な交流を描いた作品で、ハラハラドキドキしました」(60歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「連続猟奇殺人事件を追うFBI捜査官と協力している精神科医が、後で犯人とわかるストーリーがぞくぞくした」(60歳男性/その他電気・電子関連/IT関連技術職)
・「連続猟奇殺人事件を解決するために、囚人に協力を求めて犯人の足取りをたどる女性捜査官の心理描写がすごくドキドキしてよかった。主演俳優のキャスティングも好きでした」(58歳男性/サービス/技能工・運輸・設備関連)
・「ハンニバル・レクターはとても魅力的な主人公です。クラリスよりも。次にどんな行動に出るか、ワクワク」(62歳男性/ビル管理・メンテナンス/事務・企画・経営関連)
・「私には未知な世界で、悪い意味でも頭に残り離れない、考えさせられる世界観の映画です。残虐すぎて怖くて、おすすめはできないです」(48歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「テンポの良いストーリー展開で一瞬ドキッとする場面もあり、ジョディ・フォスターがいい演技している」(65歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/事務・企画・経営関連)
・「最後、ジョディ・フォスターがどうなるのか、ドキドキしながら見てしまった。最後まで目が離せなく、面白かった」(46歳女性/不動産/事務・企画・経営関連)
・「ジョディ・フォスターとアンソニー・ホプキンスの心理戦的な対峙と、猟奇殺人の気持ち悪さの描写が秀逸で最初から最後まで目が離せず惹きつけられる、非常に面白い作品である」(61歳男性/フードビジネス/IT関連技術職)
・「ジョディ・フォスター演じるFBI捜査官と、アンソニー・ホプキンス演じる精神科医とのやり取り、犯人とジョディ・フォスターとの銃撃戦や全体的なストーリー、奥が深いというか、セリフに秘められた意味を考えさせることも多くて、本当に目が離せなかった」(44歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「今の映像に慣れた方が初視聴したら、それほど評価が高くないかもしれない。が、公開当時はあまりにも素晴らしく、恐怖とともに感動を覚えた。その後、この作品に影響されたものも多いように感じる。グロテスク最高峰なのに、格調高い。役者、映像、脚本と演出、すべてよし。ジョナサン・デミは、この後のシリーズは撮っていない。これ以上のものはできないからなのか……」(61歳男性/建設・土木/技能工・運輸・設備関連)
2位『シックス・センス』
優秀な小児精神科医マルコムはある日、死者が見えてしまう「第六感(シックス・センス)」を持つことに悩む少年コールに出会う。かつて自身の患者を救えずに、目の前で自殺されてしまった経験を持つマルコムは少年を助けたいと願い、死者がコールの前に現れる理由を共に考え始める。
監督/M・ナイト・シャマラン
公開年/1999年
・「霊感にまつわる作品だが、ブルース・ウィリスによってメリハリがあった」(47歳男性/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)
・「よくできた映画で、3回ほど見ました。子どもが主体となるのはやはり感情に訴える点数が高くなると思います」(60歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「どんでん返しの驚きと、子役の演技力に魅了された」(59歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「最後のどんでん返しが、まったく予想していない結末になって衝撃を受けました」(59歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「『最後にどんでん返しがある』ことだけは知っていて見たのですが、最後までまったく気づきませんでした。最初は映画館で見たので、結末を知ったうえで改めてテレビで巻き戻したりしながら確認していきました。見ていて話の流れに違和感がなかったので、結末がわかった時は本当に衝撃でした」(43歳女性/その他/その他・専業主婦等)
3位『セブン』
暗鬱な雨が降り続ける街で、キリスト教の「七つの大罪」になぞらえた連続猟奇殺人事件が発生する。退職を間近に控えた老刑事サマセットは着任したばかりの若き刑事ミルズと組み、事件解決に当たる。すんでのところで容疑者に逃げられてしまった2人を待っていたのは、さらに恐るべき事態だった……
監督/デヴィッド・フィンチャー
公開年/1995年
・「七つの大罪になぞらえた殺人事件が、不気味で怖かった」(41歳男性/食品/営業関連)
・「ストーリー、演出も含めてとにかく怖かった。映画の中の七つの大罪について考えさせられた」(48歳男性/電力・ガス・エネルギー/メカトロ関連技術職)
・「主演の2人がまずよかったし、最後までどうなるのか、緊張感と興味が尽きず鑑賞できた」(52歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「犯人の姿がなかなか現れずハラハラさせられて、ブラッド・ピットとモーガン・フリーマンの演技が光っていて面白かった」(62歳女性/医療用機器・医療関連/専門サービス関連)
・「猟奇的連続殺人事件を追うブラッド・ピットのラストの演技が迫真的で、見ていてゾッとするようなシーンでした」(55歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「人間の首を見せないで、入っているであろう箱で表現しているところがいい」(56歳男性/その他/その他・専業主婦等)
4位『ブラック・スワン』
ニューヨークのバレエ団に所属するバレリーナ、ニナは「白鳥の湖」のプリマに抜擢される。優等生タイプの彼女は清廉な白鳥は問題ないものの、官能的な黒鳥を演じるには不安があった。やがて、ライバルダンサーのリリーが現れ、ニナはプレッシャーにより徐々に自身の心の闇に蝕まれていく。
監督/ダーレン・アロノフスキー
公開年/2010年
・「主人公の完璧主義に共感があり、メンタルの描写がとてもよかったです」(25歳女性/ソフトウェア・情報処理/クリエイティブ関連)
・「ハラハラドキドキして、とてもグロテスクで、観て少し気分が悪くなってしまった」(47歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「主人公の心理がドキドキするほどに狂っていって、しかし美しくもあり、目が離せませんでした」(46歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「ダーレン・アロノフスキーらしく、不穏な雰囲気が漂う映画だった」(42歳男性/不動産/事務・企画・経営関連)
・「ナタリー・ポートマンの美しさに加え、バレエシーンの素晴らしさ。特に過酷な減量シーンは圧巻だった」(64歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
5位『アウトブレイク』
アフリカ奥地で発生した、非常に強い感染力と高い致死率を持つ未知のウイルスによる出血熱が、密輸入された猿を媒介にアメリカに侵入した。米陸軍伝染病研究所のリーダー、サム・ダニエルズ大佐は治療法の発見のために奔走する一方で、ウイルスと軍開発の細菌兵器との関連に気づく。
監督/ウォルフガング・ペーターゼン
公開年/1995年
・「ウイルス感染が怖かった」(45歳男性/サービス/営業関連)
・「新型コロナの状況に似ていて怖い!」(46歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「主演のダスティン・ホフマンの演技が最高。ウイルスの恐怖をテンポよく描いた一級のエンターテイメントで楽しめました」(52歳男性/その他/その他・専業主婦等)
6位『ミスト』
スティーヴン・キングによる小説を映画化。激しい暴風雨の翌日、スーパーへ買い出しに出かけたデヴィッドは、立ち込めた濃い霧の中から現れた夥しい数の怪物に襲われる。居合わせた人たちとともに対策を探るが、やがて仲間割れが起き……。映画史に残る"バッドエンディング"でも有名な作品。
監督/フランク・ダラボン
公開年/2007年
・「バッドエンドが酷くて、酒を飲みました」(61歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)
・「襲ってくる得体のしれない怪物と戦いながら、最後の望みをかけてスーパーから脱出するところまではよかったが、ラストで一気に見なければよかったという思いになった映画」(60歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「すべてにおいて、主人公が間違った選択をし続けるという稀な映画」(46歳男性/インターネット関連/クリエイティブ関連)
7位『スティング』
1936年のシカゴを舞台に、大物マフィアに仲間を殺された若き詐欺師フッカーが復讐のために、賭博師ゴンドーフの助けを借り一世一代のイカサマ賭博を仕掛ける。『明日に向って撃て!』のジョージ・ロイ・ヒル監督、主演のポール・ニューマン、ロバート・レッドフォードが再結集したことでも話題となった。
監督/ジョージ・ロイ・ヒル
公開年/1973年
・「人を騙すテクニックが素晴らしい」(41歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「古典と言われるが、今でも楽しく見られる作品です」(48歳男性/専門店/販売・サービス関連)
・「ロバート・レッドフォード、詐欺師、アカデミー賞受賞と最高の映画。どんでん返しの連続で目が離せません」(64歳男性/官公庁/公共サービス関連)
8位『ユージュアル・サスペクツ』
カリフォルニア州・サンペドロ港の埠頭で、マフィアの麻薬密輸船が爆破され27名が死亡し、大量のコカインと現金が奪われる事件が発生する。唯一の生き残りである体の不自由な小物の詐欺師キントは、事件の黒幕には伝説のギャング、カイザー・ゾゼがいると語り始めるのだが……。
監督/ブライアン・シンガー
公開年/1995年
・「最後の最後まで犯人が予想つかなくて、最後のどんでん返し的なのはこれが最初なのではないかなと。映画では」(49歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「誰が黒幕なのかラストまでわからず、あっ!という感じで正体が……。意外性や俳優の演技も含めて、最高のサスペンス映画だと思います」(52歳男性/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/営業関連)
9位『オールド・ボーイ』
同名の日本の漫画を韓国で映画化。平凡な会社員オ・デスはある日突然誘拐され、15年間にわたり監禁されてしまう。15年後、突如解放され、復讐を誓うデスの前に謎の男が現れる。男は、自身が監禁された理由を5日間で解き明かせと命じるが……。2013年にはハリウッドでリメイクも製作された。
監督/パク・チャヌク
公開年/2003年
・「テンポがよくて、面白いなと思いました」(33歳女性/その他/販売・サービス関連)
9位『エンゼル・ハート』
1955年、ブルックリンの私立探偵ハリー・エンゼルは、サイファと名乗る謎めいた男から、戦前の人気歌手ジョニー・フェイバリットの生死を確認する仕事を依頼される。しかし早速調査を開始したハリーの行く先々では、奇妙な殺人事件が次々と発生する……。
監督/アラン・パーカー
公開年/1987年
・「ミッキー・ロークの表情。ストーリーの展開」(56歳女性/その他/その他・専業主婦等)
9位『ファイト・クラブ』
語り手である平凡なビジネスマンの「僕」は、満たされた生活を送りながらも精神的には空虚で、不眠症という悩みも抱えている。ある日、僕は謎の男タイラーと出会い、彼の導きで秘密組織「ファイト・クラブ」を作り上げる。そこは、屈強な男たちが拳を交わし、血まみれで戦う空間だった。
監督/デヴィッド・フィンチャー
公開年/1999年
・「いや~ストーリーもさることながら、最後のどんでん返し」(60歳男性/その他/その他・専業主婦等)
どんでん返しのあるサスペンス洋画ランキングまとめ
1位『羊たちの沈黙』はサイコスリラーものの先駆けとなった名作で、アカデミー作品賞を受賞した唯一のホラー映画でもあります。FBI訓練生クラリス・スターリングを演じたジョディ・フォスターもさることながら、なんといっても稀代の猟奇殺人犯=ハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)のキャラクター造形は後世に多大な影響を与えました。アンケートでも両者の奇妙な関係性や、レクター博士の恐ろしくも魅力的な人間性に着目するものが見られました。
2位『シックス・センス』は公開当時、映画の冒頭部分で語られる、主演のブルース・ウィリスによる「この映画にはある秘密があります。まだ映画を見ていない人には、決して話さないでください」という前置きが話題となりました。そのコメント通り、本作の予想外の結末は見る人に大きな衝撃を与え、大ヒットを記録しています。アンケートでもその「どんでん返し」に触れたものが多く、インパクトの大きさを物語っています。
3位『セブン』は、『羊たちの沈黙』と並ぶサイコホラーの傑作です。キリスト教の「七つの大罪」をモチーフにした連続猟奇殺人という見事なプロットと、先鋭的な映像・音響効果などで高い評価を得ています。また、主演のブラッド・ピットとモーガン・フリーマン、犯人を演じたケヴィン・スペイシーの演技も絶賛されました。本作の衝撃のラストにも、トラウマになっている人も多いようです。
4位『ブラック・スワン』は、ダーレン・アロノフスキー監督によるサスペンス映画。精神の崩壊の危機を迎えながらも、完璧なバレエを踊りきった主人公ニナを演じたナタリー・ポートマンは本作で、第83回アカデミー賞主演女優賞を受賞しました。アンケートでも、主人公への共感を示す声が寄せられています。
5位『アウトブレイク』は、未知のウイルスによる「アウトブレイク(爆発的な感染)」ものという内容が、コロナ禍で喘ぐ現在の状況とあまりにも符合しており、多くの支持を得たようです。ウイルスが変異を繰り返すたびに強力になっていく様子や、崩壊寸前となる医療体制などの予言的な内容が、多くの人に強い印象を残しました。
そのほかにも、ランキングには新旧の数々の名作・傑作が名を連ねています。海外作品の、特にサスペンスものではエンディングの意外性や衝撃度に秀でた作品が多く、初見であればより楽しめることでしょう。これを機会に皆さんも、気になった作品をご覧になってみてはいかがでしょうか。
松 弥々子
まつややこ洋画海外サスペンスアンケート内容
Q.目が離せないサスペンス映画(洋画・海外映画)を視聴したことはありますか?
「はい」(58.3%) 「いいえ」(41.7%)
調査の結果、マイナビニュース会員のうち目が離せないサスペンス映画(洋画・海外映画)を視聴したことがある人は58.3%と、6割近くとなりました。
調査時期: 2021年5月21日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計507人(男性: 393人、女性: 114人)
調査方法: インターネットログイン式アンケート