「犯罪すら、0と1が織りなす信号が引き起こす」「すべては、Webの中にあった」――俳優・佐々木蔵之介が、きょう1日からスタートするテレビ朝日系新木曜ミステリー『IP~サイバー捜査班』(毎週木曜20:00~ ※初回2時間スペシャル)で演じるのは、京都府警・サイバー総合事犯係主任・安洛一誠(やすみや いっせい)。サイバー犯罪に関する知識や捜査スキルはピカイチの“超デジタル人間”だが、ジャケットの代わりに“羽織”を身にまとい、現場にもあまり顔を出さないという変わり者だ。

初回放送を前に、安洛というキャラクターの魅力や、安洛を父かもしれないと考え、新米刑事としてやってきた古宮山絆(こみやま きずな)を演じる福原遥、部下でありながら安洛を秘密裏に調べる多和田昭平(たわだ しょうへい)を演じる間宮祥太朗の印象を佐々木が語った。

  • 俳優の佐々木蔵之介=テレビ朝日提供

――佐々木さんから見て、安洛はどんなキャラクターですか。

一言で言うと、“変人”ですね。すべてのことを0か1かの数値で考え、我が道を行く人間。絆とかかわっていくうちに、その考えがほぐれていくんですけど、序盤は完全に変人。こんな人が上司だったら困ると思います(笑)。でも変わり者を演じるのは面白いですし、楽しんでやりました。

――刑事ですが、スーツではなく羽織を着ている。ビジュアルも特徴的です。

“髪の毛ビシッ! メガネキラッ!”ではなく、髪の毛はボサボサだし、無精ひげも生やしている。そんな格好が、安洛にとっては効率がいいんだと思います。視聴者の方には、親しみを持って見て頂けたらうれしいです。

サイバー捜査なので、無機質な部屋が舞台なのかと思いきや、刑事部屋はまるでカフェのような、ウッディであたたかい雰囲気。安洛は保管庫という倉庫のような場所で捜査をするんですけど、そっちは畳で茶室のようになっていて、お茶を点てたり、お香を炊いて考えたりする。現場へは、羽織と自転車で臨場する。ほとんど現場には行かないんですけど。超デジタル人間なのに、そんな捜査スタイルとのギャップが面白く仕上がっています。そして、自転車なのになぜかいつもパトカーより早く現場に着いているんですよね(笑)。

――そんな安洛と、佐々木さんご自身との共通点はありますか。

無駄なことが嫌いという性格にはすごく共感できます。ただ、安洛は無駄なことをしている人間に「それをやるのは無駄だ」という理由を長々と話すんです。演じている僕は「『無駄だ』と説いているその時間が無駄なんじゃないか」と思っています(笑)。

そして、僕も安洛も京都出身。今回は地元・京都で3カ月撮影するということで、こんな機会は今までになかったので、それはもう楽しみででした。京都には、夏だと祇園祭があって、五山送り火があって……と、四季を感じられる催事がたくさんある。その時期に鯖寿司や鱧を食べて季節感を感じるのが楽しい。安洛も京都の旬の食べ物が好きで、鱧を食べるシーンがあったので、そこは似ていますね。