かっこよさと可愛さを併せ持ち、ドラマや映画で幅広い役柄を演じている俳優・千葉雄大(32)。28日に第2弾が最終回を迎えるNHKドラマ『いいね!光源氏くん』の光源氏役も、多面的な魅力のある千葉だからこそ演じられるハマり役となっているが、映画『ピーターラビット』の主人公のウサギ・ピーターの日本版声優も、千葉にぴったりだ。
2018年にハリウッドで実写映画化され全世界興行収入約386億円を超える大ヒットを記録した前作『ピーターラビット』に続き、続編『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』(6月25日公開)でもピーターの吹き替えを担当した千葉。続投決定が発表された昨年3月のイベントで、前作の反響に言及し、「役者人生のハマリ役がウサギっていうのも自分らしい」と笑顔を見せていた。
そんな千葉にインタビューし、2度目のピーター役の感想、本作から学んだこと、また、コロナ禍における人生観の変化や、仕事との向き合い方の変化について話を聞いた。
――続編は、湖水地方のビアとマグレガーのもとから1人で都会に家出したピーターが、地下組織のボス・バーナバスに悪の道に誘われていく物語。本作のピーター役で意識したことを教えてください。
“悪の道へ”というストーリーですが、ピーターの表情を見て、葛藤や切ない部分を感じたので、そこを表現できればいいなと思って演じました。
――続投発表の際に「成長した姿を見せられるように頑張りたい」とおっしゃっていましたが、前作からの成長はご自身で感じられましたか?
前作のときはすごく緊張していましたが、今回は肩の力を抜いてできた気がします。
――本作では、本当の自分と他人からの印象のギャップに苦しむピーターの姿が描かれていますが、千葉さんは本当の自分と世間のイメージとのギャップを感じることはありますか?
感じることもありましたが、最近はあまり感じないです。
――何か変化があったのでしょうか?
わかりやすいフレーズをつけられることもありますが、皆さんあまり深く考えていないと思うので、こちらもあまり考えないほうがいいんだろうなと思うようになりました。
――例えば、千葉さんは“あざとかわいい”と言われ、『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日)出演も話題になりました。
ありがたいなと思いますが、外側だけの話なので。そういう風に受け取って楽しんでもらっているんだなと思いますが、自分としては特に意識していません。
――本作から影響を受けたことはありますか?
つらい状況やうまくいかない状況のとき、ピーターのように1人になりがちですが、周りをちゃんと見つめ直してみると、自分は支えられていたんだなと。僕も悩んでいるときは“ほっといて”という風になってしまいがちですが、そういうときこそ周りの人に素直に弱みを見せてもいいのかなと思いましたし、もっと周りを頼っていいんだなと思いました。
――いろいろと考えさせられるメッセージが込められていますよね。
共感できるポイントがたくさんあり、マクレガーさんの変化も大きな第一歩だと思いますし、バーナバスも個人的には共感ポイントがありました。傷ついた過去があるわけで、必ずしも悪かというとわからないなと。ピーター自身もいたずらなところがあるわけですし、勧善懲悪というより、バーナバスも幸せになってほしい。そう思うのもこの作品の必然だと思います。