不屈の精神で芸能界を生き抜いてきた柴咲。女優業において大切にしていることを尋ねると、「仕事に限らずプライベートでも大切なことですが、真実を知りたい、本質を見極めたいという好奇心は持ち続けています」と答えた。

「真実・本質を見極める力」は、演じる役をつかむ上で重要だという。「この作品で言いたいことは何か、本質を見極められなかったら役を全うできない。監督やプロデューサーの指示に従って、ただ与えられたセリフを言えばいいという話ではなく、それをキャラクターにどう落とし込めばいいのだろうと、本質をつかむ必要があるので」。

また、「正直に生きる」ことも大切にしていると言い、その思いは「特に今、加速しているかもしれません」と告白。『クルエラ』に参加したことで、改めてその大切さを感じたという。

「私は新たなフィールドを増やしていくタイプなので、ずっと同じことをやっているという自覚はありませんが、とはいえ女優業として考えると20年以上続けている。長く続けていると無難になりがちで、冒険したくない、今のポジションを崩したくないという人もいると思いますが、私は無難なほうを選ぶのではなく、自分の気持ちに正直に生きたいと思っています」。

続けて、「『あなたってこういう人なんだ』と言われるとその反対を向きたくなったり、以前は『キツそう』『怖そう』と言われていたのに最近はあまり言われなくなって、それもつまらないなと感じたので、また怖いほうを目指していこうかなと思ったり。ずっと同じイメージを持たれるのは新鮮味がなくて嫌なので(笑)」と、あまのじゃくな性格も明かす。

「あなたって〇〇だよね」と言われるのは嫌だけど、その周囲からのイメージの逆を進む形で、結果的にその言葉によって導かれてきた柴咲。「そういう意味ではコントロールしやすいと思います。こう言ったらこっちに行くだろうと、実は誘導しやすい」と笑った。