難易度が高い作品だけでなく、尊敬する先輩が演じた役を継ぐことになる。「彼が演じた役を果たして自分ができるのか、難解な曲を歌えるのか」。悩みは尽きないが、「楽曲をただの歌として捉えていくと、1つの曲という認識で終わってしまう。劇中に登場しない曲と曲の間の出来事、ジェイミーの心境や思いを真剣に考えないとただコンサートのように歌うだけで終わってしまう。そうならないようにしていかないといけない」と前を向く。
水田の相手役、キャシーを演じるのはミュージカル女優の昆夏美。彼女とは初共演となる。「初共演ですが共通の知り合いが多くて、この間ビジュアル撮影で初めてお会いし、お互い『お話はよく聞いています』と挨拶しました。そのときに『同世代だから敬語止めよう』とも話しました。昆ちゃんと呼んでいます(笑)。年も近いので初対面に感じなかった。フランクに話せる方というのが第一印象です」と相性は抜群のよう。
演出を担当する小林氏は水田・昆ペアについて、「とても現代的な感覚を持ち込んでくれそう」とコメントしている。“現代的な感覚”という表現について聞くと、水田は「その言葉に僕自身もしっくりきました」といい、「今のカップル、ニューヨークで夢を追いかけている人。どこかにいそうな人を演じられる2人。そういう意味で言ってくれたのではないか。リアリティのある関係性になれればいい」と自分たちペアならではの持ち味を出したいと意気込む。
「ストーリーはファンタジーではなく、割と身近にある人間模様です。どうやって人と出会って、どう付き合うのか。そこに葛藤や、人間臭い誰しもが共感できるような普遍的なお話です。役や時代背景が難しい設定ではないので、心のフィルターを通したときに、どういうものが演技で出てくるのかなと今の段階で楽しみです。昆ちゃんと演出の香さんと濃密なディスカッションをして、誇りを持って演じたいです」。
新演出となるミュージカル『The Last 5 Years』は6月28日から7月18日まで東京・オルタナティブシアター、7月22日から25日まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演。水田と昆のほか、木村達成と村川絵梨、平間壮一と花乃まりあが出演する。