●久々の登場から『プリ☆チャン』からの初披露曲まで、大充実のライブパートに
イベント後半は、お待ちかねのライブパート。まずは「Neo Dimension GO!!」のイントロとともに斎賀がメインステージに、赤﨑・佐藤が両側のサブステージに登場。4年ぶりにTricoloreが揃い踏みだ。佐藤と赤﨑はそれぞれ優しくかわいらしい歌声とパフォーマンスを魅せる一方で、斎賀はメインステージでひびきらしい堂々たるステージングを展開。
後半メインステージに3人が集結すると、映像にマッチするレーザーが乱れ飛ぶ演出もあいまっての圧倒的なステージで、観客を見事にとりこにする。続く「Miss.プリオネア」は、上手側のサブステージに朝日奈が登場しての披露。イントロから華麗なダンスで観客の視線を釘付けにすると、この日はセンターステージを四隅まで大きく使ってパフォーマンス。観客との距離感もうまく詰めてさらに魅了していく。
それに続くは、ファイルーズと指出のふたり・ALIVEによる「アドリブ・デスティニー」。今回のイベントで初披露となった曲のひとつで、ふたりはいきなり息ピッタリのステージをみせる。向き合ったり手を重ねたりといった振付ではふたりの関係性を感じさせ、曲中随所に用いられた正対称になる振付も質高くみせる。サビの中盤で、一瞬スピーディさが出る振付でも対称性はキープ。魅せ場をしっかりと魅せ切っていた。
その余韻残るなか、”黒だいあ”として登場した佐々木による「フレンドパスワード~Another World~」へ。歌声やダンスの腕の振り方などでもサウンドに合わせたおてんばさを発揮する一方で、ステップの脚運びなどには壮大な原曲を思わせる麗しさが残る。だいあの核は実は変わっていないことが感じ取れるトータルでの表現のさじ加減、実に見事だった。続いて「コトバ・ブーケ」を披露した茜屋・徳井によるRing Marryは、ステージに立つたびに息ピッタリさが増すペア。
1サビ後の間奏で手を取ってからのコンビネーションをはじめ、階段に座って歌った2サビでは視線を交わしたりと、クオリティの向上とキャラクター同士の関係性を同時に見せる。最後に腕で大きなハートマークを作って曲を締めると、センターステージやサブステージには林・厚木・森嶋が登場。この3人からなるブランニュー☆ガールズによる「Brand New Girls」が初披露される。
楽曲のもつグルーヴ感をしっかりと生かしながら、曲が進むにつれて歌声・ダンスに天真爛漫さを増してどんどん”紫藤める”になっていく森嶋や、サビの細かいステップ部分の脚運びがシャープかつ大きかった厚木のダンスも印象的。また林はイントロ直前にかわいく跳ねる部分の高度がひときわ高く、サビなどのソロでは伸びやかに歌い上げたりと、それぞれが得意とする部分やキャラ特性をパフォーマンスから明確に感じることができた。
●ハピラキな時間もいよいよクライマックス! 歴代主人公の夢の共演も
ライブも中盤。今度はメインステージの階段上に伊達・大地・山田によるMY☆DREAMが登場して「Believe My DREAM!」へ。クライマックス感のある楽曲にマイドリらしい純粋なかわいらしさをもつパフォーマンスが組み合わさって、得も言われぬエモーショナルさを生み出すこの曲。
すぐ後ろのスクリーンにキャラクターを背負うことで、生まれくる感動をさらに倍増させていた。続いては、Gaarmageddonによる「アメイジング・キャッスル」。この曲のステージングで特徴的だったのが、ステージの正面を自由に次々と変化させていったこと。
上手側サブステージに登場した際や、曲の後半で下手側に移ってすぐのときには花道を正面(=メインステージに対して横向き)にしたかと思えば、終盤にはパフォーマンスしながらのフォーメーションチェンジで花道とは逆側・下手側スタンドを正面に。
いたずらな3人組と見事に噛み合うような意表をついた演出で魅せると、メインステージにはNonSugar(田中・大森・山下七海)が登場し「スパイシー♪ホット*ケーキ!!!」の披露へ。要所のキレを大事にしつつかわいげを強く押し出すパフォーマンスをみせた田中に、声色・ダンスの両面にしとやかさを織り込んだ大森、さらには元気さにダイナミックさを付加した山下七海と、『プリ☆チャン』のマスコットとして登場したプリティーアワードとは各々キャラクター性を切り替えて観客のボルテージをさらに高めていく。
そして満を持して登場したのは、山北・澁谷・若井の3人。Dressing Paféが「Get Over Dress-code」で、会場の温度をさらにブチ上げる。特に東堂シオンらしくかっこよさに振り切った山北の歌声とダンスが目を引くと、2コーラス目には3人がセンターステージに集合し、会場の中心から隅々にまで届く熱のあるパフォーマンスを展開。そこから落ちサビで3人肩を組む姿は、やはり胸を熱くさせる。3人揃っての後奏のダンスもキレまくりで、まさに無敵の”ゴッドアイドル”だった。
最後に、各シリーズの主人公6人・阿澄、大久保、加藤、茜屋、伊達、林がメインステージに登場。『プリ☆チャン』内でシリーズ10周年を記念してカバーした「プリマ☆ドンナ?メモリアル!」を客席がピンクの輝きに染まるなか、その際のライブ映像を背負いながら歌唱していく。ちなみに後奏では、阿澄がライブ映像中のあいらになぞらえた”ぎゃふん!”を決め、これもまたファンを喜ばせていた。
さて、2日間・3公演にわたったイベントはそろそろ終幕の時間。代表して半数ほどの出演者がステージに上がり、ファンへのメッセージをおくる。その中では伊藤が、やり残したこととして「プリズムショーの世界へようこそ!」と『プリティーリズム』からのセリフを生で披露し会場を沸かせる。また林は昨日の公演で感じた想いも含めて「新しいことに挑戦することの大切さや、夢を持つことの大事さや無敵さを教えてくれたシリーズです」と『プリティーシリーズ』への愛を言葉にしていた。
そして挨拶後には残りの出演者も会場のあちこちに一斉に登場して、ラストナンバーとして「Make it!」を合唱。落ちサビソロの前半を茜屋が、後半を林が歌い上げ、大サビからは再び全員による大合唱へと続いた流れは、バトンを繋いで大きく広がり続ける『プリティーシリーズ』を体現するようなものだった。
曲が終わり、客席からはこの日一番の拍手が起こる。その想いが込められた響きに会場が包まれた時間は、たった数秒間。でも永遠に続いてほしいという想いが自然と湧き上がってしまう、そんな尊い数秒間が、祝祭の締めくくりを彩ったのだった。
『キラッとプリ☆チャン』も惜しまれつつTVアニメ最終回を迎え、あらたなタイトルへとバトンが受け継がれる『プリティーシリーズ』。この10年間私たちに出会ってくれたアイドルたちは、これからも女の子の夢を応援し続けてくれることだろう。そしてそれは、きっとあらたに出会うアイドルたちも同じはず。まだまだかけがえのないメモリアルを私たちにくれるであろう、これからの『プリティーシリーズ』にも引き続き期待したい。
●“Pretty series 10th Anniversary Pretty Festival” 2日目・夜の部
2020.05.23@幕張メッセイベントホール
【LIVE SET LIST】
M1. Neo Dimension GO!! / 斎賀みつき、赤﨑千夏、佐藤あずさ(Tricolore:紫京院ひびき、ファルル、緑風ふわり)
M2. Miss.プリオネア / 朝日奈丸佳(華園しゅうか)
M3. アドリブ・デスティニー / ファイルーズあい、指出毬亜(ALIVE:輝アリス、輝イブ)
M4. フレンドパスワード~Another World~ / 佐々木李子(だいあ)
M5. コトバ・ブーケ / 茜屋日海夏、徳井青空(Ring Marry:金森まりあ、黒川すず)
M6. Brand New Girls / 林 鼓子、厚木那奈美、森嶋優花(ブランニュー☆ガールズ:桃山みらい、青葉りんか、紫藤める)
M7. Believe My DREAM! / 伊達朱里紗、大地 葉、山田唯菜(MY☆DREAM:夢川ゆい、虹色にの、幸多みちる)
M8. アメイジング・キャッスル / 牧野由依、渡部優衣、真田アサミ(Gaarmageddon:黒須あろま、白玉みかん、ガァルル)
M9. スパイシー♪ホット*ケーキ!!! / 田中美海、大森日雅、山下七海(NonSugar:真中のん、月川ちり、太陽ペッパー)
M10. Get Over Dress-code / 山北早紀、澁谷梓希、若井友希(Dressing Pafé:東堂シオン、ドロシー・ウェスト、レオナ・ウェスト)
M11. プリマ☆ドンナ?メモリアル! / 阿澄佳奈、大久保瑠美、加藤英美里、茜屋日海夏、伊達朱里紗、林 鼓子(春音あいら、上葉みあ、彩瀬なる、真中らぁら、夢川ゆい、桃山みらい)
M12. Make it! / オールキャスト