まだまだパワフルな寛平が、「間寛平 芸能生活50周年+1記念ツアー 『いくつになってもあまえんぼう』」を開催。5月30日の熊本公演を皮切りに全国10か所を巡り、笑いを届ける。その本質は「これが吉本新喜劇ですよ!」というもので、歌あり笑いありのライブツアー。コロナ収束を願う新曲「8、9、10の歌~BEAT THE CORONA(コロナに負けるな)~」(5月26日リリース)も披露する。

「ちょっと落ち込んでいるから歌でも作って出そうかと。コロナ(5、6、7)で大変やから、その上をいく8、9、10でいいじゃないか」。そんな発想から生まれた、ユーモアあふれる楽曲だ。

本人もコロナ禍では気持ちが落ち、武器を取られた感じだったという。「落ち込みますよ、そりゃ。芝居もロケも行かれへん。『探偵!ナイトスクープ』も全然ロケに行けてない。街ブラして『おっちゃん何してんの?』とか気軽にできないもの」。ただ、そんな中でも今回、劇場で舞台ができる。「一番の心配はお客さんやから、マスクして換気してね。この一年、劇場を開けたけれど、まったく問題なかったですよ」。

公演のタイトルにもなっている「いくつになってもあまえんぼう」も、舞台では毎回のようにウケる鉄板のギャグだ。「これは僕がずっと甘えているから。自分の会社も作っているんですけど、あまえんぼうって名前ですよ」と誕生秘話を明かす。いくつになってもとは何歳までかと尋ねると、「死ぬまでです」と答え、「僕はずっと甘えていくんです。ただ、(終わり)は考えてはいますよ」とも。

「吉本は大丈夫なんですよ。誰かいるんですよ。誰かが継ぐ。『行列のできる法律相談所』も紳助がいなくなったあと今田がやって続いている。吉本は兵隊がたくさんいてるから。さんまは辞めたらいけないと思いますね。若い子育てているから。『さんまのお笑い向上委員会』は、くすぶっているヤツに光を当てて、地下芸人を引き上げている。仕事も増える。あれはさんましかできない。ダウンタウンもね。よくやっているね」。

もちろん、寛平の代わりもいない。唯一無二のレジェンドとして今後のさらなる活躍を期待したいが、「人は寛平ならやってくれると言いはるけど、今の子のみたいにいろいろできない。いやまあ、やるかなあ、なんかわけわからんことを(笑)」と明言は避けた。

ただ、芸歴51年目のレジェンドには、負けられないライバルがいる。その壁を超えない限り、引退の二文字はなさそうだ。

「以前、千鳥の大悟に(間寛平の芸で)『勉強せなアカンで!』と言ったところ、『僕ら、そんな芸はけっこうです』と言われました(笑)。なんでやと(笑)。ただ、世の中の流れと芸の流れもあるので、しょうがないこともある。若い子が出てきたら、どんどん好きなようにやりなさいと。そういう気持ちで、これからはいないといけない。そういうところではもう戦えないですよ。もう今は戦えるのはひとりだけ、坂田利夫。永遠のライバルよ、あれには勝てん(笑)」。

■間寛平
1949年7月20日生まれ。高知県宿毛市出身。1971年デビュー後、1974に吉本新喜劇の座長となり、「アヘアヘアヘアヘ…」「ア~メマ!」「かい~の」などヒットギャグを続々と放ち、若手スターとして関西で絶大な人気を獲得する。2008年、大阪のなんばグランド花月をスタートした地球一周企画「アースマラソン」では、2年1カ月、4万1000キロに及ぶ長い旅を終え、ランナーとしても人々に感動を与える。今年は、5月26日にCD「8、9、10の歌~BEAT THE CORONA(コロナに負けるな)~」をリリース。「間寛平 芸能生活50周年+1記念ツアー 『いくつになってもあまえんぼう』」も開催する。