お笑いコンビの和牛とかまいたちが出演する南海放送・日本テレビ系バラエティ特番『和牛×かまいたちのいいダシとってんね~』が、22日(13:30~14:25)に放送される。コンビをシャッフルし、水田信二と濱家隆一が水田の地元・愛媛へ、山内健司と川西賢志郎が山内の地元・島根へ向かい、最高のダシが出る食材を持ち寄り、最高のダシ料理を作って味わうというロケバラエティだ。

この特番を企画し、和牛の冠レギュラー番組『和牛のA4ランクを召し上がれ!』(毎週日曜12:55~ ※愛媛ローカル)も担当する南海放送の徳丸博智プロデューサーに、ロケの裏側や2組の相性、そして強い信頼を寄せる和牛の魅力などを聞いた――。

  • (左から)和牛の水田信二・川西賢志郎、かまいたちの山内健司・濱家隆一 (C)RNB

    (左から)和牛の水田信二・川西賢志郎、かまいたちの山内健司・濱家隆一 (C)RNB

■島根食材ゼロの危機

今回のキャスティングは、まずレギュラー番組で関係値のある和牛から決まり、「一番相性が良くて面白くなるようなコンビということで、かまいたちさんにお願いしました」(徳丸P、以下同)と決定。超が付くほどの売れっ子の2組だけに、収録は1日に集中して行われ、朝8時に東京・羽田空港に集合すると、愛媛と島根に分かれて日中ロケ、東京に戻ってハウススタジオでの料理・食事シーンで締め、全ての撮影が終わったのは深夜24時過ぎになっていた。

2組による全編ロケ番組は、東京進出後おそらく初めてだというが、同期で付き合いの長い2組は狙い通り、相性抜群。島根ロケに同行した徳丸Pは「川西さんと山内さんはカメラの回ってないところでもずっと2人で話されてましたし、ライバルではあるけれど非常に仲がいいんだなと思いました」と印象を話す。

随所で懐かしのエピソードトークが繰り広げられ、料理シーンでは即興のミニコントがスタート。そしてラストには、お酒も入って他の番組で見せない本音を語り合う姿も披露しており、「和牛さんに、かまいたちさんという新しいアクセントが加わることによって、倍以上の化学反応が起こっています」と手応えを語った。

ただ、丸1日のロケは、どんなに周到に準備をしても、ハプニングが起こるもので…。

「シジミは、動かさずに水に半日浸けて砂抜きをしなきゃいけないんです。なので、すぐロケ車に積まず、獲った宍道湖に昼の12時頃に置き、ディレクターとADが2人で夕方6時頃にピックアップして空港に来るはずだったんですが、道路が大渋滞してしまい、他の全部の食材も持ってる2人が飛行機の出発時刻になっても乗ってこないんです。このままだったら、島根の食材がゼロになってしまう…と思ったらADが駆け足で乗ってきてギリギリ間に合いました(笑)。でも、ディレクターはレンタカーを返さないといけないので飛行機に乗れず、最後に東京で料理するときに、島根の食材について話せるディレクターがいない状態だったんです」

  • 愛媛ロケの様子

  • 島根ロケの様子

■気配りの川西、地元愛あふれる水田

徳丸Pが手がける『和牛のA4ランクを召し上がれ!』は、18年4月にスタートした愛媛を巡るロケバラエティ。かねてから水田は、地元・愛媛で番組を持ちたいというのを様々な場所で公言しており、南海放送での冠レギュラーは念願がかなった格好だった。

立ち上がったきっかけは、徳丸Pが赴任していた東京から愛媛に帰任する際のこと。「高校の同級生たちが送別会をしてくれて、その中に吉本興業の人がいたんです。その人と、『いつか愛媛で番組やりたいね』という話をして、愛媛に帰ったときに『M-1グランプリ』で和牛さんが活躍されているのを見て、すぐに『和牛さんと番組やりたいんだけど』と言ったら、たまたま和牛さんの当時のマネージャーさんとデスクが隣で話がスムースに進み、本当に運が良かったです」と振り返る。

  • 徳丸博智プロデューサー(中央)と和牛(提供写真)

番組がスタートして4年目に突入したが、和牛の魅力を聞くと、「2人とも非常に親しみやすさがあって仲が良いですね。川西さんは地元ではない愛媛でロケをして楽しいのかな、と心配することもあるんですけど、『水田は俺の地元の大阪で仕事してもらってるし、僕が水田の地元の愛媛で仕事をするのは当たり前じゃないですか』と言ってくれて、非常に気配りをされる方なんです」とのこと。

そして、「水田さんは番組を始めるときの番宣を撮ったときに、意気込みコメントをお願いしたら『この番組は、僕にとっての親孝行番組です!』って言ってました(笑)。ロケで愛媛に帰って来て時間があれば、お母さんの料理が食べたいということでよく実家に寄ってらっしゃるんです。料理が上手で『お母さんには勝てない』って言ってますね。一番すごいのはミートソースだそうで、私も水田さんの実家で食べさせてもらったことがあるんですけど、本当においしかったです」と、地元愛が伺える。

ロケは台本を一切用意せずに進めるが、「双方が信頼し合ってるからできるという部分もありますね」という関係。視聴率もどんどん上昇して愛媛県民に愛され、週刊文春の「好きな芸人ランキング」で和牛が四国地区の1位になったときは「間違いなくこの番組のおかげです」と謙そんしていたそうだ。