南が演じる菜緒は、何不自由なく愛情いっぱいに育ってきたが、今まで何かを頑張った経験がない女子生徒。「自分から一番遠い存在だと思っていたのですごく驚きましたが、チャレンジしてみたいと思いました」と出演が決定したときの心境を明かす。

自身の性格は、菜緒とは「真反対」とのこと。「(心の)中は明るいと思いますが、顔に出ない。『暗いね』と言われることが多いので、周りからは明るく見えていないのかなと思います」と話し、「なので、自分の中で一番明るい部分を引っ張り出して頑張っています。明るくて純粋で無邪気な普通の女子高生という役なので、やりがいを感じつつ、難しさも感じつつ、頑張っています」と役作りについて説明した。

『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』では吃音症に悩む女子高生役、『もみの家』(2020)では、心の悩みから不登校になってしまった少女役と、つらい境遇の役を多く演じてきた南。「陰のある役のほうが私自身も共感できる。自分と重なる部分がはっきり見えるのでやりやすいです」。

菜緒は「ウケる~」といったイマドキ女子高生の言葉遣いも印象的だが、南自身はそういった言葉遣いはしないという。自分との違いを「常に感じている」と言い、「(菜緒は)思ったことを全部口に出す子。私は反対に思ったことはあんまり言わないほうなので。『こういう子いるな』と思ってお芝居しています。どちらかというと私が苦手な、あまり話したことがない女の子で、近づけるのが難しいです」と吐露。

ただ、「自分の頭の中で菜緒はこういう女の子というイメージ像はしっかりある」ときっぱり。そのイメージに近づけるよう、テンションを上げて菜緒というキャラクターを作り出している。

今まで頑張ったことがなかった菜緒が今後、東大合格に向けてどのような奮闘を見せるのか。南は「何かを頑張れない、頑張れないことが嫌だという思いは少なからず誰の心の中にもあるのではないかなと思っているので、お芝居を通じてそういう部分を励ますことができたら。そういう方たちが一歩踏み出せるようなお芝居ができたらいいなと思っています」と力を込めた。

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