――コロナ禍でキスシーンのロケは大変たったと思いますが、一番印象的だったキスシーンとは?

桐山:僕らもPCR検査をし、徹底的に管理されたなかで撮影に臨ませていただきました。キスシーンについては、監督が演出面を考えてて激しいキスから軽めのキスまでいろいろあって、監督もいろいろな指示を出してくれたので、バリエーションに飽きることなく臨めました。一番印象に残ったのは冷蔵庫の前で、百々子を“冷蔵庫ドン”してキスするシーンでしょうか。あれはけっこう練習しました。

小西:その冷蔵庫ドンが1回あって、また少しあとに今度は百々子から冷蔵庫ドンをするという感じで、私もよく覚えてます。長谷さんからするキスシーンが多かったのですが、後半では百々子からするシーンもあり、そこで新しい百々子や長谷さんが見えて、すごく印象的でした。

――様々なキスシーンが登場するわけですね。

桐山:まるで振り付けのように言われたものをやっていくんですが、監督や照明さん、美術チームがとてもこだわって撮ってくれたので、できあがった映像が本当にきれいです。周りのみなさんにすごく支えてもらいました。

小西:桐山さんが長谷さんのように私を引っ張っていってくださったので、すごく安心してやらせてもらいました。また、監督や撮影部さん、照明部さんからも「いいキスシーンを作ろう」という熱意がすごく感じられ、私も桐山さんと共に、どうやればいいキスシーンだと思ってもらえるんだろうと考えて、楽しみながらやらせてもらいました。

――今回このドラマに出演したことで得たものや気づきについて聞かせてください。

桐山:過去にもキスシーンが多い作品をやらせてもらったことはあるんですが、今回はそれを遥かに超える分量の作品だったので、他とは比べられないくらい突き抜けたドラマになりました。監督をはじめ制作チームが、あの世界観をとにかく美しく見せることにこだわっていたので、『ラブファントム』という新しいジャンルの作品になったような気がします。

小西:私は桐山さんほどいろんな作品の経験はなかったし、ドラマでヒロインをさせてもらったのも今回が初めてで、まさにドラマの洗礼を受けた感じです。初めてだらけの現場でしたが、今となっては、あんなに監督たちの熱量が高い現場というのは、もしかしたら珍しいのかもしれないなと。お芝居も一から指導してもらったので、『ラブファントム』での経験はきっと今後もすべてにおいて生かされると思います。

――最後にこれからこのドラマを観られる方へのメッセージをお願いします。

桐山:キスから始まるラブストーリー、しかも原作ファンがいっぱいいらっしゃる作品で、みなさんに支えられ、無事に撮影を終えることができて感謝しています。昨年の夏に撮影しましたが、限られた時間のなかでいいものを作ろうという熱い日々で、今後忘れることがないくらい思い入れの強い作品になりました。

小西:撮影前はプレッシャーもあったのですが、私も桐山さんと同じで、キャストのみなさんやスタッフさんと共にいろんなことを考えながら楽しく取り組めた作品となりました。今の時代に、ああいいなと思っていただけるような、クスクス笑えるところもある王道のラブストーリーなので、ぜひ楽しんでいただきたいです。

■桐山漣(きりやま・れん)
1985年2月2日生まれ、神奈川県出身。『仮面ライダーW』(09)でテレビドラマ初主演。 主な映画出演作に『新宿スワンII』(17)、『曇天に笑う』(18)、『貞子』(19)など。ドラマの近作は、『おじさんはカワイイものがお好き。』(20)、『青きヴァンパイアの悩み』(21)、現在放送中の『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されてます。』をはじめ、今後『ひとりで飲めるもん!』、『いいね! 光源氏くん し~ずん2』、『白い濁流』にも出演。
■小西桜子(こにし・さくらこ)
1998年3月29日生まれ、埼玉県出身。三池崇史監督作『初恋』(20)のヒロイン、モニカ役に抜擢。その他の映画出演作に、ヒロインを演じた『ファンシー』(20)、『映像研には手を出すな!』(20)、『NO CALL NO LIFE』(21)、待機作に『藍に響け』(5月21日公開)、『猿楽町で会いましょう』(6月4日公開)など。『レンアイ漫画家』が放送中。