2020年に『M-1グランプリ』でファイナリストとなり、一気に注目度を高めたお笑いコンビ・東京ホテイソン。たけるとショーゴの2人は、お笑い芸人向け情報SNSサイト「芸人倶楽部」で知り合ったという異色のコンビだ。
独特のテンポ感で放つボケとツッコミが持ち味の2人は、「お互いに全く違うタイプ」な点が武器と感じているようだ。バラエティ番組の出演も一気に増え、「第32回 マイナビ東京ガールズコレクション 2021 SPRING/SUMMER」(TGC)ではランウェイも歩いた2人に、『M-1』ファイナル進出後の変化や今後の展望を聞いた。
TGCに参加した感想について、たけるが「僕はシンプルに楽しかったですが、ショーゴはずっと緊張していたよね?」と言うと、ショーゴは「いやあ、僕はモデル体型すぎてるからね」とすかさずボケる。たけるが「どこがや!」とツッコんだところからインタビューはスタートした。
ショーゴは「僕は、こういう場所、無理なんです。緊張しました」と告白するが、たけるは心から楽しめたそうで「実は僕、一時期、読者モデルを目指した時期があって。昔はもっとシュッとしていて、こういう仕事ができたらいいなと思っていたんです。だから今回は念願が叶ってのTGCで、いい思い出になりました」と喜びを明かした。
キャリアの転機となったのは、間違いなく『M-1グランプリ』での決勝進出だ。たけるが「顔を指差されることがけっこう増えたので、やっぱり影響力が強いなあと思いました」と言うと、ショーゴも「もちろん優勝を目指していましたが、そういう意味では、結果オーライだったかなと」と冷静に振り返る。
東京ホテイソンは、復活戦でエントリーしてきたインディアンスに続く2番手として登場するも、最下位の10位に甘んじた。たけるによると「結果は振るわずでしたが、途中の8番手くらいが終わった時点で、俺たちが最下位になってくれ! と思いました。8位とか9位で終わるよりは、最下位のほうが逆にいいかなと。いろんな番組で、最下位だと言っていただけたことはデカかったです」と言う意味での結果オーライらしい。
ショーゴも「最下位だったからこそ、譲歩してもらえたというか、周りの方から『全然、最下位じゃなかったよ』という肯定的な意見もいただけてありがたかったです」と恐縮したあと、「やっぱりM-1はすごいですね。たぶん、ファイナリストになった方は、みなさん、仕事をもらえていると思います。すごいです」とその影響力に驚いたとか。
たけるも「TGCの出演もそうですが、最下位なのに、こんなにお仕事をいただけて、本当にありがたいです。2020年は、顔見せの1年だったので、今年こそは優勝できるように頑張っていきたいなと思います」と言うと、ショーゴも「今年もどうなるかはわからないので、気を引き締めていかないと」と闘志を燃やす。
2人がM-1を本気で目指したのは、同じ事務所の先輩芸人であるカミナリがM-1に出た舞台をライブで観たことがきっかけになったそうだ。カミナリは、M-1において2016年は決勝7位、翌2017年は決勝9位という結果を残した。
ショーゴは「カミナリさんを見て、衝撃を受けました。僕らはその頃、無理していろいろな漫才をしようと模索していた頃でした。そんななか、カミナリさんは自分が好きなことをやって、2年連続で決勝に出られていたんです。そんなカミナリさんを見て、僕らもちょっと冒険してみようと思えたのが、2016~17年でした」と振り返る。
たけるも「当時の僕たちにとって、カミナリさんが決勝にいく軌跡を生で観られたことは、非常に大きくて、かなり影響を受けました」と言う。
また、岡山県出身のたけるは、岡山県伝統芸能である備中神楽の「神楽師」の資格を持っているが、2人の漫才のテンポ感や間合いにも影響を与えているようだ。今のスタイルは試行錯誤した末に、生まれたものらしい。
たけるが「僕たちはNON STYLEさんのように速いテンポの漫才はできないんです。たとえば、NON STYLEさんのボケ数が30~40個あるとしたら、僕たちは4~5個なので」と解説すると、ショーゴも「例えば、僕は『ボケましたよ!』という顔を敢えてしますが、本来はやっちゃダメなことなんです。いろいろやってみた結果ですが、僕たちはあくまでも自分たちのテンポでやっていく感じです」とキッパリ言う。