●フルサイズも必見! “コバルト”のアイテムが鍵になるMV

――「コバルトの鼓動」ではMVも撮影されました。特に、両手にフラッグを持ってのダンスシーンが印象的でした。

あれ、振っているうちにだんだんぐるぐるしていっちゃったり絡まっちゃったりするので、広がったまま踊り続けるってなかなか難しいんです。しかも両手に持っているので、こっそり片手で直したりもできないんですよね。

――あのフラッグ、ファンの方もライブで振りたいと思います。

そうですねぇ……たぶん、グッズになると思います(笑)。もしそのときまだライブで声が出せなくても、フラッグを使ってみんなと一緒に何かできるようになると思うので。

――その他、後半ではコバルト色の紙や空の写真を壁に貼っていくシーンも登場します。こちらの終盤での伏線回収のような使われ方には驚きました。

そうなんです。落ちサビのあたりで、なんでそれを貼っていっていたのかがわかるんですけど……何を作っていったのかは、ぜひフルサイズのMVを観て確かめていただきたいです。あと、ジャケットで私が持っているコバルトのハートもMVの最後でとある使われ方をしているんですが、最初にできあがったものを観せていただいたときにはあのシーンが収められてなかったんですよ。

――そうなんですか!?

はい。ちゃんとMV撮影のときに撮ってはいたし、監督も元々それを最後のシーンに使おうと考えていたらしいんです。ただ、編集のときに一緒に確認させていただいたら「そういえばあのシーンがない!」となり(笑)。

――なぜか忘れられていた(笑)。

でも予定通り最後のシーンに入れていただいたら、すごくきれいに締まって。とても素敵な映像にしていただきました。

――そしてカップリング曲「突風スパークル」は、marbleさんからの提供曲です。これは、諏訪さんが『ひだまりスケッチ』がお好きなのもあって依頼されたんですか?

それが実は、私からの依頼ではなくて。スタッフさんから「marbleさんから、諏訪さんに曲が来てるんだけど」という連絡をいただいたのが最初だったんです。

――オファーでもコンペでもなくて?

そうなんです。まるでプレゼントみたいな感じで……そもそもmarbleさんが去年再始動されたばかりだったので、「marbleさんに曲を書いていただきたい」という発想自体が自分の中になかったんですよ。なので、そのお話を聞いたときにはもちろん「その曲、歌いたいです」とお返事しました。ただ、音源を聴いたら仮歌を(marbleのボーカルの)miccoさんが歌われていて、それだけでもう完成されていたように感じたので、「私が歌って、これ以上のクオリティにできるかな?」みたいな気持ちもありました(笑)。

――たしかにサビ直前の盛り上げ方など、いわゆる”marble節”を感じる曲ではありますが、諏訪さんが歌う際にはどんなことを大事にされましたか?

とても優しくて柔らかい曲なので、自分らしさを出すよりもそういった曲の雰囲気や良さを広げていくことを大事にして歌っていきました。声自体でも、柔らかさを出せるようには意識したんですよね。

――そういった歌声と歌詞とが合わさって、4月から新しいスタートを切る人へのエールのようにも感じました。

新生活っぽさもありますし、表題曲とともにみんなを応援するようなフレーズもあるので、4月に出す曲としてはすごくピッタリですよね。それに、この曲は現時点で私のソロ曲のなかでいちばん最後にレコーディングしたものなので、今まで経験したことを力にしてすべて込められた曲になったんじゃないかなと思っています。

――それに、またライブを開催される際にはセットリストの中で映える曲になるとも思いますし。

たしかに。具体的にはまだあまり考えていないんですけど、『So Sweet Dolce』や『Color me PURPLE』といったアルバム2枚はそれぞれテーマを決めて作ったものだったので、今回の2曲は持ち歌の中ではちょっと異質な存在ではあると思うんですよ。なので、いいアクセントとして使っていきたいですね。

●さまざまな作品と出会って、新しい引き出しを開けていきたい

――1stワンマンからまだ日も浅いなかではありますが、またライブを開催されることを楽しみにされているファンも多いと思います。

ただ、1stライブで当時の持ち歌を全曲歌ってしまったので、そこに違うテイストのものが組み合わせてどう新しいものにできるのか……いざそのときになってみないと、わからないかもしれないです(笑)。

――ライブやリリースなどを通じて、デビューからの約1年間で精力的に活動されてきました。そのなかで、今後やりたいことは見えてきましたか? 以前「ファンの方と一緒に見つけていきたい」というお話をされていた記憶があるのですが……。

アルバム2枚は、自分としての世界観を結構表現できたものではあったと思うんですよ。逆に今回のシングルは、『大運動会リスタート』に新しい引き出しを開けてもらったような感覚があるので、また違う作品と出会うことで引き出してもらった違う私をお届けできたら嬉しいですね。そうやって一つひとつのことを積み重ねていって、いざ2ndワンマンとなったときにそのいちばんいいところを表現するにはどうしたらいいかを考えて、皆さんにお見せできたらと思っています。