声優・諏訪ななかが1stシングル「コバルトの鼓動」をリリース。表題曲はソロとしては初となるアニメ主題歌として、『バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!(※以下:大運動会リスタート)』のOPに起用されている。今回は、そのリリースにあたってインタビューが到着。シングル収録曲の話題はもちろん、昨年開催した1stワンマンライブ”My prologue”についても振り返ってもらった。
●「歌を聴いてくれている人」の存在を実感できた、昨年の初ワンマン
――昨年は2枚アルバムをリリースされ、11月には1stワンマンライブも開催されました。ファンを実際に前にしてのソロでのワンマン、開催されて率直にどう感じられましたか?
まずは、皆さんが足を運んで来てくださったことがすごく嬉しかったです。コロナ禍のなかのデビューだったので、そもそも有観客でのイベント自体がそれまでほぼできなかったうえに、ライブも有観客での開催が叶うかどうかわからない状況だったので……。声は出せなくても、皆さんのマスクの下の笑顔を想像しながら歌えたことも、すごく楽しかったですね。
――目だけでも、楽しそうな感じは伝わりましたか?
とっても伝わってきました。それに、激しい曲だとペンライトの振り方も変わりますし、曲によってペンライトの色も変わりますからね。無観客だと「自分たちは楽しいけど、観てくれている人は大丈夫かな?」と思ってしまうかもしれませんけど、有観客なら頷きとか拍手を通じて反応を感じられるので、声出しNGではありましたけどすごくありがたかったです。
――ステージ上からの光景のなかで、特によく覚えていることはありますか?
カーテンの奥で1曲目の最初のフレーズを歌ってからライブが始まったんですけど、こちらからはみんなのペンライトの光が見えてはいたんですよ。それまでリリースイベントもほぼできずにいたので、「私の歌を聴いてくれている人がこんなにたくさんいたんだ」と改めて実感できたことは、特によく覚えています。
――そして年が明け、初のシングル「コバルトの鼓動」がリリースになります。アニメの主題歌への起用も初となりますね。
そうなんです。このインタビューにお答えしている時点ではオンエア前なので、PVに乗せて流していただいているとはいえ、まだ実感があまりなくて……不思議な感覚の中にいますね。なので今はどんな絵がつくのか楽しみですし、観て改めて実感が湧いてくるのかな、と思っています。
――ファンの方からは、どういった反響がありましたか?
ミニアルバム『Color me PURPLE』のリリースイベントで発表したとき、声出しNGのイベントだったのに”思わず出ちゃった”みたいな声でちょっとざわっとしまして(笑)。もちろん自分たちの中ではこの作品のOPを担当するって頭ではわかっていたはずなんですけど、その反応を通じて、皆さんの期待の高さを感じました。
●作品に寄り添うこと最優先で作られた楽曲には、自身に刺さる部分も
――その『大運動会リスタート』のイメージと「コバルトの鼓動」は、どんな部分で結びつくように感じられていますか?
曲全体から感じる爽やかさや疾走感が、作品にすごく合っていると思います。それに歌詞には、結構作品に直接繋がるような言葉がたくさん使われているんですよ。タイトルの「リスタート」という言葉もそのまま使われていますし、他にも特に序盤には「スタートライン」とか「靴紐」みたいに”走る”ことを連想するような言葉も出てくるんです。
――ちなみに、作品を離れてひとつの曲としてお気に入りの部分もありましたか?
2番のサビで、ただ明るいだけじゃなくて「不安を消せない事もあった それでもまだちゃんとこの脚で ここに立ってる」と葛藤を乗り越えた先みたいなものが描かれているところですね。ここは聴いてくださった方の中にも、刺さる方は多いんじゃないかなと思っています。ただ、その部分もわざわざ私に寄り添っていただいたわけではなくて。あくまでも作品を優先した曲にしていただきました。
――そういう方向性も、諏訪さんの意向だった。
はい。まず最初に、アニメのOPになる部分が先にできまして。そのあと2番を私に寄せるか作品のイメージのままでいくか聞かれたんですけど、やっぱりOPになるからには作品に寄り添った曲にしたくて、全体を通して作品を優先していただきました。
――歌うイメージは、最初から湧いてきましたか?
はい。曲自体が「OPです!」みたいな爽やかな曲なので(笑)、その雰囲気に合わせることは最初から意識しました。ただ、オシャレな部分があったりもする曲なので、王道の中の新しさみたいなものも出せたらいいなとも思いましたね。
――加えて、特にAメロはメロディの流れが難解な印象があります。
1番と2番でちょっと譜割りが違うので、そういう部分からも難しさが感じられるかもしれないですね。ただ、私のレコーディングスタイルが「仮歌をとにかく聴いてなじませてから臨む」というものなので、本番ではメロディの部分で「ここ難しかったな」と感じることはあまりありませんでした。
――レコーディング前にそこまでなじませるのはなかなかできないことだと思うのですが、どのようにその段階まで持っていくんですか?
なんていうんでしょう……スピードラーニングみたいに?(笑)。移動中1曲だけを延々とリピートして、ずっと聴いてなじませていくんですよ。
――あと、サビの高音部分などでは歌声を下支えする要素を感じまして。それも相まって、今までのロックな曲以上に力強さが出ていた印象がありました。
結構高低差のある曲なので、ずっと力強く歌い続けるというのはなかなか力がいるところだなと感じました(笑)。高い部分は声的には弱くなってしまいがちなので、そこはちょっと難しいところではありましたね。