株式投資は「自分が就職・転職したい」と思う企業の銘柄を選ぼう

議員を落選してから本格的に始めた株式投資で、多額の利益をあげることに成功している杉村氏。無職時代にデイトレーダーをして生活費を捻出していた経験もあるが、あくまでも投資は"余剰資金"で行うことを勧めている。

「生活費を捻出する目的の投資はおすすめしません。給料の一部を毎月貯金に回している人も多いでしょうが、向こう1年間使う予定のない余剰資金で投資するのが基本です」

余剰資金を作ったうえで株式投資にチャレンジする際は、どのように銘柄を選んだらよいだろうか。

「投資初心者の方はファンとして長く応援できる会社、配当金ベースで長期保有できそうな株への投資がおすすめです。資産状況が変わるので、僕は毎年遺言を書いているんですが、私の死後すぐ現金化して売却する株、4~5年以内に好きなタイミングで売る株、ずっと持ち続けたほうがいい株の3種類に分けています」

「自分のお金は自分の分身・子どもみたいなもので、家に閉じ込めておけば安全だけど、外で修行させて大きく成長させるのが投資。自分が就職・転職したい会社という観点で投資先の当たりをつけ、自分の代わりに自分の分身であるお金で株を買い、その会社で働いてもらうイメージを持ちましょう」

投資家目線を養うために必要なこと

とはいえ、銘柄選びは難しいもの。杉村氏は、投資にしても副業にしても、成功するためには"投資家目線"が欠かせないと語る。

「投資家目線というのは社会や生活がどう変化していくのか、将来を見通す力です。今年は総選挙があるので、各政党が今の日本経済にどんな課題感を持ち、どう解決しようとしているのか、マクロ経済政策は公約でチェックしてもらいたいですね。難しく聞こえるかもしれませんが、金利、税金、財政、通商政策、規制緩和の5つに注目してみてください。特に大事な最初の3つはおさえておきたいところです」

本書ではマクロ経済の見方や、経済ニュースなどで一度は聞いたことのある投資指標なども噛み砕いて解説している。

「リスクの少ないETFなどを毎月貯金感覚で買うことから始めてみてもいいかもしれませんね。自分のお金で投資すれば嫌でも勉強するし、そこで得られる知識は額面より遥かに大きなリターンがある。企業も人間の体と同じで、一見健康そうでも実際はボロボロなんてこともあり得ます。ぜひ若いうちから実践していただきたいです」

副業も投資も、低リスク・低予算のものから出来るだけ若いうちに実践し、勉強していくことが、成功への一番の近道であると言えそうだ。

杉村太蔵プロフィール

1979年8月13日、北海道旭川市生まれ。1998年4月、筑波大学に入学、2004年3月中退。清掃員を経て、外資系証券会社に勤務。2005年9月、自民党公認候補として衆議院議員選挙に立候補、当選し政治家として活動を行った。現在はタレントとして「サンデー・ジャポン」(TBS系)、「大下容子ワイド!スクランブル」 (テレビ朝日系)、「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)などで活躍。株式投資で多額の利益を上げるほか、商社「杉村商事」の社長でもある。慶應義塾大学大学院でベーシックインカムの研究を進め、その研究結果をもとに「企業版ベーシックインカムIN北海道音威子府村」のプロジェクトを精力的に行う。

『"投資""副業"お金の基本がゼロからわかる 稼ぎ方革命』(杉村太蔵著/KADOKAWA)

本書では、著者自身が無職時代に実践した"お金の不安解消 最初の一手"を公開。独立開業へと大きく育てる副業ノウハウから、「チャートも株価もほとんど見ない」という投資術、そして日本の政治まで、マネー本の枠を超えた広がりを体験できる1冊となっている