■好奇心から生まれた目標
松坂は、現在32歳。今年公開の映画が『あの頃。』、『いのちの停車場』、『孤狼の血 LEVEL2』、『空白』と続き、つい6日前にはNHKドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』もスタート。まさに役者として脂が乗った働き盛りの“30代”――どんな未来図を描いているのだろうか。
「30代は、そうですね……」と深く考え込む様子を見せたあと、「時間をかけて作品を作ってみたい」と口にした松坂。「その“時間”が、撮影期間なのか、作品に入るまでの準備期間なのか、はっきりとは分からないんですけど。時間をかけて作品を作るという経験ができたとき『自分自身がどう感じるか』という好奇心があります。 想像もできないので、自分の体に経験させておきたい」。
すでにNHK連続テレビ小説やNHK大河ドラマで1つの役を長く演じた経験はあるが、「映画でそのスケール感に挑む」「四季をかけて1本の作品を作る」といった機会を松坂は望んでいる。「30代のうちには挑戦したいですね」と目を輝かせた。
一方で、30代には難しさもあると話す。「上すぎず下すぎず、中途半端なんですよね。僕らの世代って一番フワついていると思う」。では、ネクストステージ・40代の展望はというと「お父さん役とか上司役ができるようになっているなら、やってみたい」と想像。「『おっさんずラブ』で言うと吉田鋼太郎さんの役とか」と挙げるも、すぐに「もっと上ですっけ(笑)」と笑みをこぼした。(※吉田演じる黒澤武蔵の物語での年齢は55歳。ちなみに、『おっさんずラブ』を手掛けた貴島彩理プロデューサーが今作を担当している)
■金曜日の夜に「酒のつまみ作品」として
『あのときキスしておけば』が放送されるのは、「金曜ナイトドラマ」という枠だ。松坂は「金曜日の夜、皆さん疲れていると思うんです。『こんなに頑張ったのに』『今日何のために仕事してるのかな』って思っている人もいるかもしれません」と視聴者に寄り添いながら、「そんなときに、“ものすごく心がほだされるドラマ”としてお届けしたい。この作品の登場人物は皆一生懸命。いとおしくて、愛らしいキャラクターたちをラブコメとして面白おかしく描いている。ドラマを見てクスッと笑って『疲れとかバカバカしくなってきたな』『明日も頑張るか』って思ってもらえたら」とアピール。「金曜日の夜の『酒のつまみ』作品として楽しんでほしいです」と締めくくった。
1988年10月17日生まれ、神奈川県出身。近年の主な出演作は、『不能犯』(18年)、『新聞記者』(19年)、『蜜蜂と遠雷』(19年)など。2019年には『孤狼の血』(18年)で第42回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。今年は映画『あの頃。』、『いのちの停車場』、『孤狼の血 LEVEL2』、『空白』と出演作が続き、24日からNHKドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』もスタート。映画『モンスターハンター』の吹き替えにも挑戦した。