• 「冒険家オカベ」(後列左から)岡部大、粗品、秋山寛貴、菊田竜大、長田庄平、松尾駿、せいや (前列左から)丸山礼、生見愛瑠 (C)フジテレビ

木月氏は『ピカルの定理』を担当していた当時、『めちゃ×2イケてるッ!』の総監督としても知られる片岡飛鳥氏から、「ショートコントは笑いの最小単位だから、これが作れるようになると、他の番組もうまく作れるようになる」と学んだという。

「『ある1つの“おもしろ”を伝えるための振りを最短にし、“おもしろ”のピークまで持っていくと、不思議とある決まった尺で出来上がる。この仕組みの最小単位を作れるようになることが大事で、それ以上の尺になっていたら“おもしろ”が複数種類あるか、飾りの部分があるか、振りのダブり返しなど無駄な部分が必ずある。無駄な部分がもしあるならそれを切って整えなければいけない』と、僕が撮ったコントを実際に目の前で編集していただきながら2010年頃に教えてもらったんですが、当時担当していた『笑っていいとも!』でその“笑いの整理法”を実践してみると、コーナーの作り方が全部変わったんです。だから、コント作りを経験することが、他のバラエティを作る上で今もものすごく役立っているんです」

『新しいカギ』には、杉野幹典氏(『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』『さんまのお笑い向上委員会』)、田中良樹氏(『BACK TO SCHOOL!』『関ジャニ∞クロニクルF』)、千葉悠矢氏(『超逆境クイズバトル!!99人の壁』)という3人の20代ディレクターが参加しているが、コントにとどまらず、様々な番組作りにおけるノウハウを継承する狙いもあるようだ。

「うちには三宅(恵介 ※『オレたちひょうきん族』など)さんもいらっしゃるし、OBでも吉田(正樹 ※『夢で逢えたら』『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』『笑う犬』など、現・ワタナベエンターテインメント会長)さんや、小松(純也 ※『ダウンタウンのごっつええ感じ』『SMAP×SMAP』『笑う犬』など、現・フリー)さんも特番の放送を見て感想をくださいましたので、本当にありがたいです」と感謝しつつ、「伝統をうまく使わせていただきながら、新しいこととの掛け算で今にアップデートしていく作業をしています」と意識を語っている。

  • 『新しいカギ』総合演出の木月洋介氏

●木月洋介
1979年生まれ、神奈川県出身。東京大学卒業後、04年にフジテレビジョン入社。『笑っていいとも!』『ピカルの定理』『ヨルタモリ』などを経て、現在は『痛快TVスカッとジャパン』『今夜はナゾトレ』『キスマイ超BUSAIKU!?』『久保みねヒャダこじらせナイト』『ネタパレ』『出川と爆問田中と岡村のスモール3』『千鳥の対決旅』『芸人サバイバルトーク!上田に火をつけろ』『人間性暴露ゲーム 輪舞曲~RONDO~』などを担当。4月23日スタートの『新しいカギ』で総合演出を務める。