稲垣は、監督や教師など約10役に挑戦。自身が演じたキャラクターのほか、最新VFX技術を用いて顔だけ稲垣に変えた人たちも続々登場し、“同じ顔”の世界を作り出している。

「見た目の優劣をつけるんだったら、いっそのこと同じ顔にしてしまえばいいのではないかという設定があり、その流行りの顔が、男は稲垣吾郎で、女性は加藤ローサさん。それは光栄ですよね」とうれしそうに話し、「不思議な感じでした。街中の選挙のポスターも僕の顔だったり、タレントさんを起用した広告のポスターも僕の顔だったり、街中、僕。それがおかしくて」と笑う。

さらに、「実際に僕の顔・体でヘアメイクだけ変えて演じているのもあれば、誰かの体に僕の顔を埋めているだけのもある。何かを彷彿させるような5人組のアイドルグループもいて、全員僕みたいな顔をしている。これは気分いいなって(笑)。だいたい5分の1でやっていたので。ポスターで登場するのですが、1人は元気キャラ、1人は髪の毛を気にしているナイーブなミステリアスなキャラとか、いろいろキャラクターを作って演じ、面白かったです」と気になる5人組の登場も明かした。

実際に演じた約10役の演じ分けについては、「当たり前ですけど、10人違って見えるように。はっきりとコントラストを効かせたい」という意識で演じたという。とはいえ、「はっきりとわざとらしい演じ分けもしたくなかった」と言い、「コントではないので、デフォルメしてやるのも違う。同じ顔なのに同じ声なのに違う人に見えたらいいなとか、そういう力量を試させられた」と振り返る。

そして、同じ世界観で違う役を演じる難しさを感じつつも、「自然と違和感なく演じられた」と話し、「その役に引っ張ってくれる脚本でした」と説明。ウィッグを用いた短髪姿など、役によってヘアメイクや衣装もさまざまで、それも演じる上で助けられたという。「共演者、セットの雰囲気、セリフなどで、その役が生きている場所にちゃんと誘ってもらえた」と語る。

すべて演じ切った今、放送後の反響が楽しみで仕方ないという稲垣。「同じ作品の中で何役も演じるのは初めての経験。第1話を拝見しましたが、あとは視聴者のみなさんがどう感じてくれるか。みなさんのリアクション、世の中の反響がこんなに楽しみな作品はないですね。想像がつかない。ワクワクしています」と声を弾ませる。

さらに、「見方によっては、さわやかな青春物語に見えるし、見方によっては、SFホラーみたいなテイストもある。賛否いろいろあると思いますが、今の時代、こういう作品もあっていいんじゃないのかな。新しいことをやっていかないとテレビドラマも凝り固まってきちゃいますから。NHKさんのこの枠で新しいことに挑戦していく、そこに参加できて僕もうれしいです」と、新しいことに挑戦する必要性と喜びを語った。

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