俳優の阿部寛が主演を務めるTBS系日曜劇場『ドラゴン桜』(毎週日曜21:00~)が、きょう25日にスタートする。本作は、2005年に放送され社会的ブームを巻き起こした『ドラゴン桜』の15年後を描く続編。新型コロナウイルスの影響による延期を経て、いよいよ伝説の弁護士・桜木建二が帰ってくる。この時代に『ドラゴン桜』を届ける理由とは? 飯田和孝プロデューサーに本作に込めたメッセージや桜木役の阿部の魅力、注目を集めている生徒役キャストの起用について話を聞いた。
週刊漫画誌『モーニング』(講談社)にて連載していた三田紀房氏による『ドラゴン桜2』をドラマ化。前作で倒産寸前・低偏差値の龍山高校から東大合格者を輩出した元暴走族の弁護士・桜木建二(阿部寛)が、偏差値32で経営破綻寸前の龍海学園の再建を目指し、元教え子で一緒に働く弁護士の水野直美(長澤まさみ)とともに、生徒たちを東大に合格させるために奮闘する姿を描く。
この続編は、「センター試験」から「大学入学共通テスト」への受験制度改革に合わせて制作が決定した。飯田氏は「詰め込み形ではなく、自分で物事を考えられる力を図る受験に変わってきている。今回の『ドラゴン桜』も、桜木建二が打ち出す言葉がそことすごく合致していて、『自分で考えろ!』と桜木は言っています」と、現実社会における変化が物語に反映されているという。
そして、自分で物事を考える力が必要なのは、受験だけではないと飯田氏は考えている。「今の時代、いろいろなテクノロジーやIT系ツールが普及している。この1年でリモートも普及し、余計に我々は物事を考えず、人と接しなくてもいろいろできてしまう状況になっている。けれども、自分の意図が相手に伝わるのか、本当の意味での人と人とのコミュニケーションができているのかということが、コロナ禍において浮き彫りになってきている」。
だからこそ、今の時代に『ドラゴン桜』を届けるのだ。「桜木建二のメッセージは『自分自身で考えろ』『自分を変えるのは自分自身だ』。これから世の中で戦っていく人たちに向けて、自分を変えるためには、自分自身をよく考えることが必要なのではないか。そういったメッセージが届けられると思っています」と本作に込めた思いを明かしてくれた。
続編ではあるが、「パート1の延長ではなく、新しい、日曜劇場の『ドラゴン桜』としてやりたい」との思いで制作。タイトルを『ドラゴン桜2』にしなかったのも、その思いからだという。「当時は金曜ドラマの枠で、より若い視聴者向けという意識だったと思いますが、今作は日曜劇場。学生さんは当然、会社で働いている方や親子も意識する枠なので、それも含めて新しい『ドラゴン桜』という意味でパート2はつけませんでした」。
日曜劇場といえば、重厚な映像というイメージがある。飯田氏は「前作の『ドラゴン桜』と日曜劇場の重厚さの中間地点より少し日曜劇場寄り。青春という意味合いも含まれている作品ですが、キラキラ感のあるドラマとは少し違うと思う」と説明する。
監督は福澤克雄氏。理事長役に江口のりこ、教頭役に及川光博、校長役に山崎銀之丞と福澤組常連キャストも参戦している。「会議室のシーンなど、みなさんがイメージする昨今の日曜劇場に。監督が福澤なので、日曜劇場らしさを期待している視聴者の方もいるので、そういったシーンもふんだんに取り入れながら、東大合格というところとうまく融合できたら」と、日曜劇場版の『ドラゴン桜』を目指す。