『めちゃ×2イケてるッ!』『はねるのトびら』など、フジテレビの総合バラエティといえば、『新しい波』といった番組でテレビに出たての若手芸人からメンバーを選抜していく手法が主流だったが、今回の3組はすでに超売れっ子。そこには、「やっぱり圧倒的に実力があって面白いので、クオリティは相当高いです」と大きなメリットがある。
今の芸人たちにとって、自分たちの作ったネタではなく、制作側から提示されたコントを演じるのは珍しい機会だが、「演者さんといろいろな部分をすり合わせして、本番に臨みます」と時間をかけて練っている。
番組の台本を書く放送作家は、通常の番組に比べてはるかに多い約10人。一度上がってきたコント台本は何度も練り直してブラッシュアップしていくため、「皆さんコントが書けるということで喜んでらっしゃる部分もありますが、『まだ求めてくるか!』という感じで、結構ヘロヘロになってらっしゃいます(笑)」と、コント作りの手間が伺える。
■効率的に収録を進める「画期的なスタイル」
一方で、「演者さんたちが皆さん実力者なので、本番の1日で一気に撮ってしまいます」とのことだが、超売れっ子3組のスケジュールは週1日確保するのも難しく、別日にリハーサルを設定することも難しい。そこで、時間と手間のかかるコント収録を効率的に進めるため、いわく「画期的なスタイル」を導入した。
「スタジオを2つ使って、カメラや照明などの技術さんを2チーム呼んで同時進行し、演者さんがスタジオを行ったり来たり移動していくと、通常の倍撮れるんです。パラレル収録を略して“パラ収録”と呼んでいるんですが、ここにロケ企画も同時進行して“3パラ”するときもあります」
かつて『オレたちひょうきん族』で「タケちゃんマン」と「ひょうきんベストテン」を2つのスタジオで同時に収録することはあったが、全編にわたって行うのは、初めてのことだそう。
演者やスタッフが、忙しくスタジオを行き来するのは、収録現場の活気を象徴する光景だが、「美術や技術チームも含めて、熱気がすごいです。ニューテレス(技術会社)の知り合いが全員いるんじゃないかって思うくらい(笑)、お祭りみたいになってますね。その場で一緒に考えて作り上げていくという感じもあるので、皆さんやりがいを持って臨んでくれています」と、その様子を明かしてくれた。
フジでは現在単発で、サンドウィッチマン・バイきんぐ・かまいたちらの『ただ今、コント中。』、3時のヒロイン・ぺこぱ・四千頭身らの『Do8(ドエイト)』といったコント中心の総合バラエティを放送しているが、これらもレギュラー化が実現すれば、番組同士の切磋琢磨に加え、局内がより活気づくことにもなりそうだ。