現在放送中の大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)で、主人公・渋沢栄一(吉沢亮)の従妹であり、妻となった千代を演じている女優の橋本愛。大河ドラマへの出演は3度目となるが、ここまで主人公に近い中心人物を演じるのは今回が初めて。橋本にインタビューし、本作出演の心境や、吉沢と渋沢喜作役の高良健吾との共演の感想、栄一と千代の夫婦シーンについて話を聞いた。
橋本が演じている千代は、控えめで口数は少ないが、心の芯はめっぽう強い。栄一と結婚してからは、多忙な栄一に代わって渋沢家を守り、内助の功を発揮するという役どころだ。
『西郷どん』(2018)、『いだてん~東京オリムピック噺~』(2019)に続き、3度目の大河ドラマ出演となった橋本。「『西郷どん』は2話だけの出演で、『いだてん』も時々登場する人物だったので、ずっと作品の中で主人公と並走できるのは今回が初めてです。すごく光栄に思いましたし、うれしいなと思いました。と同時に、撮影期間が1年半くらいと長いので、心構えが必要だなと身を引き締めました」と出演が決定したときの心境を明かす。
本作は、新一万円札の顔としても注目される渋沢栄一の生涯を描く物語。幕末から明治へ、時代の大渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも、青天を衝くかのように未来を切り開き、約500の企業を育て約600の社会公共事業に関わった“日本資本主義の父”で、晩年は民間外交にも力を注ぎ、ノーベル平和賞の候補に2度選ばれている。
橋本は「歴史の知識があまりなくても軽やかに入っていけるような、作品の軽妙さを感じた。今まで大河ドラマに縁がなかった方でも楽しんでずっと見ていただけるのでは」と本作の魅力を感じている。吉沢演じる栄一にも魅せられているようで、「面と向かってお芝居していて、ものすごく明るくてハツラツとしていて、表情が色彩豊かという印象。栄一さんを見ているだけで楽しめるドラマになると感じました」と語る。
また、「私はすごく千代ちゃんのことが大好き。とってもかわいくて、みんなに愛される女の子で、栄一さんと家族になって、たくましく成長していきます。今までにない千代ちゃんの気迫があり、母親になっていろんな悲しみも経験し、どんどん人としての幹が太くなっているんだなと成長を感じたので、栄一さんとともに千代ちゃんも成長しているんだなと感じていただけたらうれしいです」と、千代の見どころも愛情たっぷりに説明した。
栄一役の吉沢とは本作が初共演。吉沢と共演経験のある友人の杉咲花から「すごく人見知りだよ」と教えてもらい、「私も人見知りなので一緒でよかった」と安心して現場に入ったという。そして、実際に対面すると、人見知りもそうだが、「温度感が似ている」と感じたそうで、「無理なく現場に佇む感じ。私も力を抜くことに力を入れる、頑張らないことを頑張るみたいなことをやっているので、同じ匂いを感じてやりやすいなと思いました」と印象を明かした。
喜作役の高良とは、2013年に放送されたドラマ『ハードナッツ! ~数学girlの恋する事件簿~』(NHK BSプレミアム)でガッツリ共演していたため、「高良さんがいれば大丈夫だと、安心しきっていますし、信頼しきっています」と絆はバッチリ。「この3人で幼なじみを演じられるのは、私にとってすごくラッキーなことでした」とうれしそうに話した。