ソニー・グローバルエデュケーションの「KOOV」(クーブ)は、ブロックを自由に組み立て作ったパーツを、プログラミングで動かすロボット・プログラミング学習キット。ブロックを使うため、「一人ひとりが違う“かたち”をつくれること」をコンセプトにしています。2020年12月からは、オンライン学習サービス「CREATE by KOOV」の提供も開始されました。対象年齢は5歳~10歳。

  • ロボット・プログラミング学習キット「KOOV」とオンライン学習サービス「CREATE by KOOV」、息子は満足、手離れよくて親も助かり

CREATE by KOOVは2年間のカリキュラムになっており、月に2回、各回2コンテンツずつ配信されます。「KOOV ベーシックキット2」(税別14,980円)とコンテンツ利用料が必要です。コンテンツ利用料は、12カ月一括プランが月々1,980円、月額プランが月々2,480円となっています。1年目(開始から12カ月間)は基礎的な内容ですが、2年目は「拡張パーツセット2」(税別9,980円)を追加購入してブロックや電子パーツを増やすことで、より幅広いカリキュラムで学んでいきます。

パッケージの中身は?

我が家には小学2年生の息子がいて、KOOVの対象年齢にぴったりだったので、一緒に使ってみることにしました。プログラミング学習キットというと、もっとメカメカしいものを想像していたのですが、シンプルなパッケージと優しい色合いのブロックで、とても親しみやすい! 息子も「早く遊びたい!」と興味津々です。親の筆者から見ても、かわいらしくて飾っておきたくなるデザインです。

さっそく、KOOV ベーシックキット2の中身を見ていきましょう。LED、ブザー、モーターなどを含む電子パーツが12個、グリーン、レッド、ブルー、イエローなど半透明なカラーブロックが全部で86個、回転軸、ホイールなどの部品が17個です。

  • 「KOOV ベーシックキット2」の中身

  • 電子パーツとケーブル。左上から時計回りに、DCモーター(2つ)、バッテリーボックス、USBケーブル、3芯ケーブル(20cm×3、45cm×1)、コア

「コア」は、ブロックやパーツをつなぎ、プログラミングによってロボットを動かすための制御装置。このコアとスマホやパソコンを、USBかBluetoothで接続します。

プログラミングを行う「KOOVアプリ」の対応環境は、64bit版のWindows 7 / 8.1 / 10、macOS 10.13以降、iOS 11以降またはiPadOS 13以降が動作するiPad Air 2 / iPad mini 4 / iPad Pro / iPad 5th以降、最新版のChromeOSを搭載したChromebookです。

  • 左上から時計回りに、LEDレッド、LEDグリーン、赤外線フォトリフレクター、ブザー

  • ブロックは透明で優しい雰囲気。かわいいです

  • 回転軸、ホイール、ブロックリームーバーなども付属。パーツが多いので、使い終わったら全部を箱にまとめて片付けておくのは必須。我が家では、必ずパーツを数えてから収納するようにしていました

  • バッテリーボックスに単3形乾電池×3本を入れるとき、ドライバーを使います。乾電池とドライバーは、ユーザーが用意

アプリの学習コース

学習はKOOV専用アプリを使って進めるスタイル。アプリ内で使う自分のアバターを作り、さらに一緒に学習するマスコットも決めます。アプリの使用中は、ポップな音楽が流れて気分を盛り上げてくれます。アバターを作ることで、プログラミング学習がより「自分のこと」として身近になりますね。

  • 最初にアカウントを登録。アバターを作っていきます

  • 学習のパートナーとなるマスコットを選びます

  • カリキュラムがマップで表示され、何を学ぶのかイメージしやすいです

KOOVで使うプログラミング言語は、ソニー・グローバルエデュケーションが独自開発したビジュアルプログラミング言語。学校などでよく使われている「Scratch(スクラッチ)」と同じようにブロックを組み合わせていきます。

視覚的&直感的に操作できるので、プログラミング初心者でも「コンピュータのプログラム」と意識せずに使えるのがいいところ。KOOVで操作に慣れておけば、学校の授業で「Scratch」を使うときも戸惑わずにすみそうです。

  • KOOVのブロックと電子パーツで組み立てたロボットを、ビジュアルプログラミング言語を使って動かします

アプリには、ブロックや付属パーツの使い方を学ぶカリキュラム、アプリや電子パーツを使ってプログラミングの簡単な操作方法を学ぶカリキュラムなどが用意されています。このほか「きょうざい」として毎月配信されるカリキュラムの学習が可能です。

ブロックアーティストになる!

最初にブロックやパーツの基本的な使い方を学びます。息子は普段、LEGOや知育ブロック「LaQ(ラキュー)」でよく遊んでいてブロックは大好き。アプリのお手本を見ながらブロックで動物を作っていきます。

ブロックとブロックのつなぎ方、外し方、複数のブロックを組み合わせて作れる形などを練習。1つ1つのパーツが大きめで滑りにくい素材なので、手が小さな子どもでも作業しやすいでしょう。ブロックの色や形の種類が多いため想像が広がるようで、年長の次男も一緒にいろいろなものを組み立てていました。

  • ブロックの色や形が豊富

  • ブロックごとの特徴をていねいに説明

  • お手本にあわせてブロックを組み立てていきます

  • ブロックを外す時に使う「ブロックリムーバー」の使い方を学びます

プログラミングの基礎を学ぶ

ブロックに慣れたら、次はプログラミング言語の基本的な操作を学習します。小学校ではプログラミングの授業が始まっていますが、我が家の息子(低学年)は学校で「Viscuit(ビスケット)」というScratchよりさらに簡単なビジュアルプログラミング言語を使っています。そのため、最初はブロックを使った操作方法が分からず苦戦。

  • 説明を見ながらプログラミング。難しい仕組みは分からないもの、見よう見まねで操作していきます

そろそろ親の出番かな? と様子を見ていたところ、息子はアプリ内の「ヒント」などを活用しながら、自分で作ったプログラムとお手本を見比べて何度もチェック。それでも分からないときは、前の工程に戻って説明を読み直し、「あれ、ここまで合っているのに」「どこが違うのかなあ」などと試行錯誤していました。

この「考える」「何度も試す」って、大人になっても大切ですよね(必要な場面の多々……)。息子が試行錯誤する様子を見ているだけでも、教材としてKOOVの出来映えのよさを感じます。

  • 解説を確認しながら練習

ステップが進んでいくと、電子パーツを使い、光や音で動きが加わります。プログラミングのイメージが具体的になるのか、楽しくなるようです。最初はお手本を見ながら組み立てていますが、お手本と異なるLEDパーツをつなげてみたり、ブザーが鳴る回数を変えたり、光の点滅スピードを変えたりと、自分なりのアレンジも始まります。これも大事!

ブロックの組み立ては簡単ですが、ケーブルの抜き差しなどは細かくてやりにくいようでした。特に3芯ケーブルは接続部分が細いピンなので、折れないかヒヤヒヤ。小さな子どもが使うことを考えると、接続部分はもう少し単純なものでもよさそうです。

  • LEDを光らせるプログラミングを練習

  • 最初はただ光らせるだけ。左の画面から命令文(ブロック)を選びプログラミングを組み立てます。最初はこの操作が分からず苦戦しました

【動画】練習問題で実際に試します
(音声が流れます。ご注意ください)

  • LEDは一瞬光ったら消えてしまいます……。ではどうするか

  • 一定時間光らせるためには光らせる時間を指定する必要があることを学びます

  • LEDを光らせるプログラム。プログラム内の数字を変えて光らせる長さを調整するなど、子どもにもすぐに理解できる内容です