iPadシリーズやWindowsなどが牽引する2in1タブレット市場において、Android搭載のタブレットに魅力的な機種が少ない時期が続きました。しかし、2020年くらいから、Androidでもミッドレンジ以上の性能を持った注目したい製品が少しずつ登場している印象があります。
使い慣れたAndroid OSで、もっと画面の大きいタブレットが欲しいという人には、改めて新機種をチェックするのに良いタイミングではないでしょうか。本稿では、2021年3月12日に発売された高性能Androidタブレット「LAVIE T1195/BAS」の使い勝手についてお届けします。
「LAVIE T11」シリーズは、NECパーソナルコンピュータが3月に発売したAndroidタブレットです。複数のバリエーションがあり、同じ製品名でも、上位モデルの「T1195/BAS」(65,780円~)と、下位モデルの「T1175/BAS」(47,080円~)ではサイズや仕様が異なります。今回検証したのは、有機ELディスプレイを搭載した上位モデルのT1195/BASです。
11インチiPad Proより少し縦長の本体
T1195/BASは、11.5型の有機ELディスプレイを搭載したタブレット。突起部を除いた寸法は、W264.3×H171.4× D5.8mmで、やや長辺が長めに設定されています。試しに筆者の私用の11インチiPad Pro(第一世代)と重ねてみたところ、T1195/BASの方がおおよそ1.5cm長いのが分かります。
ディスプレイ解像度は2,560×1,600ドットで、最大1677万色の表示に対応。「HDR 10」をサポートするコントラスト比の高さも特徴です。また、認証機関「テュフ ラインランド」グループのブルーライト低減認証も取得しています。タッチ操作に関しては、最大10点のマルチタッチをサポート。
側面にあるボタンとインターフェース類を確認すると、後述するキーボードを装着した状態を想定して、上側になる側面には音量上下キーを配置します。そのほか、右側面にはUSB Type-C 3.1(Gen 1)ポート。左側面には指紋センサーを兼ねた電源キーと、ピンで開けるタイプのmicroSDメモリーカードスロット。下側面には専用キーボードを接続するための端子が備えます。
Snapdragon 730Gを搭載、性能は価格相応
OSはAndroid 10がベースになっています。本稿で試用した段階では、設定アプリからシステムバージョンを確認すると「11QHD1S110088210105_NEC」と表示されました。
プロセッサには、Snapdragon 730G(8コア、2.2GHz)を搭載します。こちらは2019年からクアルコムが展開したチップで、ゲーミング向け機能を強化した「G」付きのラインナップに該当。最新のモバイル端末と比べると約2年前のチップということになりますが、通常の挙動としてはほぼ不安はありません。メモリは6GB、ストレージは128GBを搭載。バッテリー容量は8400mAh。バッテリー持ちは、公称値でWeb閲覧時15.6時間です。
実際にベンチマークアプリを実行してみたところ、「Geekbench 5」のスコアはシングルコアで545、マルチコアで1764、COMPUTE(OpenCL)で1154。「3DMark」の「Sling Shot Extreme」のスコアは2444でした。この辺りは値段相応といったところではないでしょうか。
Playストア上から動画編集アプリ「VLLO」をインストールして、16分程度の動画に簡単なエフェクトを適用させてみたところ、当初は出力までに約12分ほどかかると表示されましたが、実際に出力にかかった時間は42分でした。決して処理が速いとは言えませんので、ビジネスシーンで本格的な動画編集のような用途を想定するのは難しいかもしれません。ただし、動画編集のような処理の重い作業でも、プライベート用で使う分ならば我慢できるレベルでしょう。
お手頃価格のキーボードケース、使い勝手は?
LAVIE T11(T1119/BAS)には、専用アクセサリとして「T1195/BAS用スタンドカバー付きキーボード&画面保護フィルム」(PC-AC-AD020C)が別売で提供されています。直販価格は10,978円で、良心的な価格設定です。このキーボードとスタンドカバーは、マグネットで端末本体に固定できます。