パフォーマンスはそれなり。十分なストレージと画面サイズとあんしん保証が魅力

性能面に関してはJavaScriptのベンチマークとしてOctane 2とJetStream 2、Androidで一般的なGeekbench5ベンチマーク(CPUパワーを測定)とChrome OS用のベンチマークCrXPRT2で性能をチェックしてみた。計測はすべて5回行いもっともよい値と悪い値を除いた残り3つの平均値を採用している。比較対象として、ARM系プロセッサを搭載している「Lenovo Chromebook S330」(CPUがMediaTek MT8173C、4GBメモリ、64GB eMMC)の計測結果も併記している。

  • ベンチマークその1 JavaScriptベンチマークのOctane 2.0。すでに古いベンチーマークだがこれは18%ほど若干スコアが低い

  • ベンチマークその2 これもJavaScriptベンチマークのJetStream2。こちらはほぼ同程度のスコアだった

  • ベンチマークその3 AndroidのベンチマークソフトのGeekBench。こちらはCM3の方が明らかに速い

  • ベンチマークその4 ChromebookベンチマークのCrXPRT2。SoCの世代による差なのか項目によって数値が異なるが、Intel Core i製品と比べると明らかに遅い

CM3は素晴らしいパフォーマンスとはいえない。同じMediaTek製SoCという事もあり、いいところも悪いところもあるがS330とあまり変わらず、性能を求めるならばIntelのCore i製品を使ったものが明らかに上だ(Intelプロセッサを使用したChromebookのベンチマークテストはAcerの314/712のレビュー記事も参考にしてほしい)。

なお、CrXPRT2ではバッテリ動作時間のテストも行えるが、今回は何度試しても途中でエラーが出て止まってしまったので、今回は計測を断念した。

ただ、気軽に持ち歩けるサブ機の性能が多少低くても困らないだろう。むしろサッと出してサクっと使える使い勝手の方が望まれる。

この点ではキーボード脱着型で、装着すればカバーになるというデザインはよく、スタイラスペンもサッと取り出せて、すぐにメモとして活用可能だ。10.5インチもサブバッグに入れられる小ささとしてはよい。

RAM4GBもChromebookとしては悪くないし、ストレージ128GBで初期起動時空き容量が約100GBあるので多くのケースにおいて十分だろう。ちなみにCM3の場合外部ストレージに頼る方法はMicroSDカードスロットがない、USB端子が一つだけなので少々厳しい。

  • 初期状態でのストレージの空きは99.5GBと比較的多い。ある程度の断捨離を行っていれば賄える容量だろう

外に持ち出す場合は丈夫さも気になる。この点に関してはUS MIL-STD 810Hに準拠した丈夫さを持っているほか、購入日より12カ月のインターナショナル保証と同期間の「ASUSあんしん保証」がダブルでついている。

ASUSあんしん保証は通常の保証に加えて水没や落下による破損、落雷、火災等、「故障原因不問」で20%の交換部品代金の負担でサポートが得られる(サービス回数1回)。さらに14,800円の「ASUSあんしん保証プレミアム3年パック」を購入すれば、部品代負担不要(年1回×3年)かつメーカー保証も3年に延長になる制度だ。ただし、個人向けのあんしん保証は購入から期限までに登録が必要なのとバッテリ交換に対応していないので、その点は注意したい(バッテリとACアダプタは12カ月の国内保証のみ)。

  • ASUS製品の魅力の一つとして通常の保証に加え、故障原因を問わない「ASUSあんしん保証」が加わっていることが挙げられる。購入して登録すれば一年間。追加支払いで3年間の追加保証があるのはうれしい

  • あんしん保証の詳細はASUSのWebサイトに詳細が記載されているので比較検討したい

ASUS CM3はタブレットとしても使い勝手の良い10.5インチというサイズで、脱着式のキーボードとスタンド兼用のバックカバーが付いている。気軽に持ちだして使えるサブマシンとしてサポート体制を含めてかなり良い仕上がりを見せている。このスタイルではLenovo IdeaPad Duet Chromebookが先行して評判も高いが、さらにスタイラスペン内蔵式となっており、出先での簡易的なメモやスケッチでも良好な使用感を見せてくれるだろう。

筆者は今年初めに2-in-1 Chromebookを買っているので即買いはしないが、出先でちょっと使えるサブマシンが欲しい、Chromebookというものを体験してみたいが後々まで使える製品が欲しい、という人には特にお勧めしたい。