この性能で38,000円前後という実売価格は、日本メーカーの交換レンズとしては“撒き餌”ともいえるほど格安です。もっとも、タムロン製品は数十万円するようなレンズはないので、ただ単に良心的なのだと思います。
もちろん、改善してほしい部分も見受けられましたので、あえて難点を挙げておきましょう。本体にはスイッチなどの突起部がなく、フォーカスリングもくるくる無限に回る仕様。さらに鏡筒の表面も滑りやすいため、カメラとの脱着がしづらいのです。常用レンズとして、カメラにほぼ付けっぱなしにする人が多そうなので、そこはタムロンも割り切ったのかもしれませんが…。
オートフォーカスの動作が緩慢な点も気になりました。おおよそのポイントまで動いたあと、前後への微調整があります。これはファームウェアで改善できそうな気がするので、ぜひともお願いしたいところです。
悩ましいのが、3本のうちどれを買うかということ。特に、20mmと24mmで迷う人が多いのではないでしょうか。個人的には、カメラ1台レンズ1本で身軽に出掛けるなら、やはり35mm。広角好きならば、24mmで一本勝負も楽しいと思います。街角を撮り歩くなら24mmと35mmの組み合わせがハマりますし、20mmを同じタムロンの28-75mm F2.8と組み合わせるのも合理的じゃないかなと思います。異色ともいえる広角トリオですが、こうして選ぶ楽しみを与えてくれたタムロンにあっぱれ!です。
作例(35mm F/2.8 Di III OSD M1:2)
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