――今年は吉川さんにとって飛躍する年になりそうです。朝ドラ『おちょやん』で一気に注目されましたが、富山弁がとても愛らしいですね。

私は東京出身なので、富山弁はすごく難しかったのですが、方言を習得できるんだと思うとすごくうれしくて、頑張ろうと思いながら演じていました。長期間、出演していたわけではなかったのですが、「『おちょやん』を見ています」と多くの反響をいただけてありがたかったです。

――主演の杉咲さんからは、どんな刺激をもらいましたか?

仕事に対してすごく努力されている方だなと思いました。杉咲さんが現場でセリフを覚えている姿を一度も見たことがなくて。あの膨大なセリフ量で、しかもヒロインなので休みも全くないにもかかわらず、台本を開くのは撮影するシーンを確認するときくらいだったんじゃないかと思います。一体いつセリフを覚えているんだろう、どういう記憶力をしているんだろうと感心しました。

■転機になった天海祐希との共演

――吉川さんは3歳で芸能界デビューし、子役を経て、2016年に一時引退をされていますが、スカウトをきっかけに翌年には復帰されました。そのときはどんな思いがあったのですか?

芸能活動から離れていた時期に、自分の存在に気づいてくださる方もいて、「また再開するのを待っています」といった声を頂いていました。自分もまたこの仕事をやりたいと思った時期に、ちょうどスカウトしていただきました。

――心境の変化や演技への向き合い方は変わりましたか?

演技の仕方は少し変わりましたし、セリフの覚え方などは以前よりも早くなりました。

――女優業の醍醐味や、転機になった作品についても聞かせてください。

新しい自分を発見できるし、いろいろな役になれることが最大の魅力だと思います。転機となったのは、ドラマ『緊急取調室』(19年、テレビ朝日)で天海祐希さんと共演できたことで、この仕事をやっていて本当に良かったなと思いました。以前からずっと共演したいと思っていた女優さんで、しかも、対決するようなシーンもあって、すごく楽しかったです。

――オフショットで、天海さんとお話しする機会はあったのですか?

ありました。舞台の話になり、天海さんからいろいろなアドバイスを頂けたことがとても印象に残っています。舞台での天海さんも見てみたいし、いつかまた舞台でも共演してみたいなと思いました。

――Snow Manのラウールさん主演映画で、吉川さんがヒロインを務める『ハニーレモンソーダ』も待機中ですが、今年の目標を聞かせてください。

自分磨きを頑張ることです。外見だけではなく中身も変えられたらと思います。 今までやってなかったこととしては、眉毛サロンに行ってみました。アートメイクは仕事に影響するのでできませんが、気持ち的に変わるかなと思ったので。今後も徐々にいろいろなことを磨いていければなと思います。仕事については、目の前のことを頑張ってやっていこうと思っています。

●吉川 愛
1999年生まれ、東京都出身。3歳から芸能界入りし、子役として芸能活動を開始。学業に専念するため、16年に芸能活動を休止するが、17年に連続ドラマ『愛してたって、秘密はある。』で復帰。ディズニー映画『ラーヤと龍の王国』(21年)の日本語吹替版のヒロインに抜てきされ、声優初挑戦。ドラマは『恋はつづくよどこまでも』(20年)、NHK連続テレビ小説『おちょやん』(20~21年)にも出演。ヒロインを演じた映画『ハニーレモンソーダ』が7月9日に公開予定。