■「ハリウッドスターでもこんなに努力しているんだ」

ミラとの共演も女優として大きな経験に。「ミラのアクションの大ファンで、クールでかっこいいというイメージがありましたが、実際お会いしたら、もちろんクールでかっこいいんですけど、愛情深い方でとても優しく接してくださいました。メイク室で必ずキャスト一人ひとりに『おはよう』『調子はどう?』と声をかけてくれたり、撮影の合間もみんなで冗談を言ったり、ミニゲームやって盛り上がったり、すごく愛情深い方だなと思いました」と人柄を称賛。

また、芝居、特にアクションに対する姿勢に刺激を受けたそうで、「とてもストイックで、セットの中を走ったり、過酷の撮影の中でもジムでワークアウトしてから現場に入ったり。そして、過酷な撮影でも一切弱音や文句を言わず、そういう姿勢はすごく勉強になりました」と語る。

さらに、「1つの作品に対し、全身全霊をかけて、心身ともにすべてをかけてやり通すことの素晴らしさを教わりました」と、女優としての心構えを学んだ山崎。トニー・ジャーからも刺激を受けたそうで、「トニーも、一流の技術を持っているのに日々鍛錬していて、ハリウッドスターでもこんなに努力しているんだと思うと、自分の一日一日を見つめ直すきっかけになりました」と振り返った。

アンダーソン監督もミラのように愛情深い人のようで、「現場に入ると『ハ~イ!』と言ってハグしてくれて、いつも『元気!?』と声をかけてくださり、撮影ではワンカット終わるごとに『ラブリー!』『グッド!』『ファンタスティック!』と盛り上げてくださり、監督がそう声をかけてくださると安心することができました」とうれしそうに話した。

■「英語をやり続けていてよかった」 海外再挑戦にも意欲

オーディションで出演をつかみとった山崎。アンダーソン監督は初対面時の山崎の印象を「ゲームの世界から抜け出してきたようだった」と明かしているが、オーディションの場で「撮影で会おう」と、山崎の起用を即決した。オーディションで山崎は、英語で監督に熱い思いをアピール。撮影現場でも英語でスタッフやキャストとやりとりし、無事にやり遂げた。

山崎は帰国子女ではなく、「英語が話せたらかっこいいな」という思いで昔から独学で英語を勉強。そして、本作に向けて本格的に勉強したという。「ずっと勉強はしていましたが、目標を持つと頑張れるもので、仕事で絶対に必要となってから気が引き締まり、スイッチが入った気がしました」と語る。

ただ、オーディションを受けると決まったのは、その約1週間前。短い時間で監督と英語で会話できたということは、やはりコツコツ積み重ねてきたものが大きかったのだろう。「ずっとやり続けていてよかったなとは思いました」と笑顔を見せる。

そして、「言語は使い続けていないと上達しないし定着しない。撮影は3年前でしたが、3年前の自分に負けないよう、これからも勉強し続けたい」と今後も英語を勉強していくという山崎。「この作品でハリウッドという、手が届くと思っていなかった場所に連れて行っていただいた。チャンスがあったらそのチャンスをまたゲットできるように磨き続けていきたい」とハリウッド再挑戦を狙い、さらに、「アジアでも素晴らしい映画がたくさんありますし、海外の方々とのお仕事を通じて得られるものもたくさんあると思うので、チャンスがあればどんどん挑戦したい」と、ハリウッドに限らず世界に目を向ける。

ハリウッド初挑戦は女優人生にとって大きな分岐点に。「すべての作品が自分の中では分岐点ですが、今回の挑戦で視野がすごく広がりましたし、新たな世界=ニューワールドに私自身も出会うことができました。やはり一番は、世界で活躍されている方々の仕事ぶりを見て刺激を受けたことが、女優人生として大きかった。そこで得た経験は絶対に風化させたくないと思っています」と、この経験を今後に生かすつもりだ。

最後に思い描いている将来像を尋ねると、「お仕事を始めて10年目になりますが、10年前には想像もできなかったような経験ができたり、想像もしていなかった自分になっているので、今後どうなるかわからないですが、誰かの気持ちを軽くしたり明るくしたいという気持ちで女優をやっているので、そこは絶対に忘れないようにしつつ、活動の場と広げたり、自分の可能性をどんどん広げていきたい。そのために、自分の中で磨くものは磨いていきたい」と答え、「また世界で活躍している方々とお仕事がしたいですし、『モンスターハンター』は、『モンスターハンターワールド:アイスボーン』で雪の世界へ。受付嬢のアイスボーンの衣装も可愛いので、また参加できたらうれしいです」と続編にも期待した。

■山崎紘菜
第7回「東宝シンデレラ」オーディションにて審査員特別賞を受賞。2012年『僕等がいた』で女優デビュー。以降、映画やドラマなど数多くの作品に出演。また、ニュース番組のナレーションやラジオパーソナリティなど幅広く活躍している。近年の主な出演作品は、2018年『50回目のファーストキス』、『検察側の罪人』、2019年『スタートアップ・ガールズ』、2020年『海辺の映画館―キネマの玉手箱』、劇場版『仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』。また、2021年『ブレイブ-群青戦記-』でヒロインを演じ、『モンスターハンター』でハリウッド進出を果たした。