特撮テレビドラマ『仮面ライダーゼロワン』(2019年)のスピンオフ作品として製作された東映Vシネクスト『ゼロワンOthers 仮面ライダー滅亡迅雷』(監督:筧昌也)が、3月26日より期間限定上映される(Blu-ray&DVDソフトは東映ビデオから7月14日発売)。
タイトルからわかるように、今回の"主役"に選ばれたのは、テレビシリーズにおいてヒーローの仮面ライダーゼロワン/飛電或人(演:高橋文哉)と時に敵対し、時に心を通じ合わせた「滅亡迅雷.net」を名乗る4人のヒューマギア(人工知能搭載人型ロボット)である。高度に発達したAIが人間よりも優れた知能を得る「シンギュラリティ」という考え方を軸に、『仮面ライダーゼロワン』のテーマをより深く掘り下げる形で、極めてシリアスなストーリーが展開するという。
スピンオフ作品の上映&ソフト発売を記念し、マイナビニュースでは滅亡迅雷.netの愛すべき4人それぞれに単独インタビューを敢行した。今回は、4人の中でもっともクールなたたずまいを備えた亡(ナキ)が登場。撮影現場でもプライベートでも非常にチームワークのよい滅亡迅雷.netの中で、中山はどのようなポジションでいるのか。"単独"インタビューだからこそ浮き彫りにされる"仲間への信頼感"についてのコメントや、結束固い4人で挑んだスピンオフ作品の注目ポイントを語ってくれた。
※記事では作品の内容に触れている箇所があります。ご注意ください。
――滅亡迅雷.netの4人はテレビシリーズの最終回の"その後"を描いた映画『仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』にも出演されました。亡は、刃唯阿(演:井桁弘恵)やシェスタ(演:成田愛純)と共に印象的な出番がありましたね。
最初、亡はBlu-rayの特典映像『プロジェクト・サウザー』のみに登場するキャラクターだと聞いていたんです。テレビ劇中では不破諫(演:岡田龍太郎)の頭の中にいて、イメージで出てくる"フードの人物"は仮面ライダーバルカンのスーツアクターをされていた浅井宏輔さんが演じていましたし、自分は最後まで"声"だけの出演で物語が進んでいくのだと思っていたのですが、まさか亡として顔が出せるとは思いませんでした。テレビの最終回まで出演させていただいた上に、映画にまで出られてありがたいなって思いました。
――それだけ、滅(ホロビ)、迅(ジン)、雷(イカヅチ)を含めた滅亡迅雷.netの人気が高かったということなんでしょうね。さらには、4人が主役のスピンオフまで実現しましたが、このお話を最初に聞いたときはどう思われましたか。
とても驚きましたし、うれしかったです。今日、いろいろな媒体さんの取材があったのですが、あちこちで「うれしい」と言い続けていました(笑)。『ゼロワン』放送中から、SNSでも「滅亡迅雷.netが好きです」という応援の声をたくさんいただいて、それが今回のスピンオフとして形になったんじゃないかと信じています。もう、感謝の気持ちしかありません!
――完成した作品をご覧になったときの、率直なご感想を聞かせてください。
『ゼロワン』って基本はシリアスなストーリーなんですけれど、そんな中でも或人のギャグがあったりして、ユーモアも含まれていたでしょう。でも今回の作品では、終始シリアスで突き進む感じです。笑いの部分が一切ないというのが、滅亡迅雷っぽいかなって思いました。
私たちがギャグっぽいお芝居をするのって、ほとんどなかったですよね。亡だけは第35話で不破を笑わせるために「不破のふとんが、フワっとふっとんだ」なんてダジャレを言いましたけど(笑)。あったとしても、それくらいでした。滅亡迅雷.netの存在自体がシリアスな空気しかなくて、みな心の奥に辛さ、苦しさをかかえています。だからこの4人をメインにした物語なら、きっとこういう空気感になるだろうなと想像していて、そのとおりの作品になったことで"安心"しましたね。
――スピンオフ作品のみに登場する仮面ライダー「仮面ライダー滅亡迅雷」についてはどんなご感想を抱かれましたか。
純粋に、カッコいいキャラクターだなという印象がありました。最初は、滅亡迅雷の誰が変身するんだろうなんて思っていたのですが、仮面ライダー滅亡迅雷って4人とは異なる思考を持っているみたいですね。そういうところがまた、機械らしいなと。演じられているのは仮面ライダーゼロワンの縄田雄哉さんなんですが、仮面ライダー滅亡迅雷の動きにはゼロワンっぽさがみじんもなくて、歩く姿がいかにも冷徹なロボットのようだったんです。これはやはり、ヒューマギアである滅亡迅雷.netをしっかり意識して演じてくださっているんだな、とうれしくなりました。
――滅亡迅雷.netの4人のチームワークの良さについては、いかが思われますか?
今回のスピンオフでは、撮影に入る時間も終わる時間も4人一緒のことが多くて、連続で4日間くらいそういう日が続いたこともありました。撮影が終わってみんな一緒に帰るとき、じゃあご飯でも食べましょうとなることがほんとに多くて、そういったときにみんなとの絆が深まったなって思っているんです。
テレビシリーズのときって、4人が同一画面にいることってあまりなかったのですが、今回はずっと一緒でしたからね。現場にみんなが集まるといつも面白い話になって、ワチャワチャと盛り上がるんです。真剣に芝居の話とかはぜんぜんしないのですが、それぞれの真剣なシーンを撮っているとき、普段の雰囲気があるからこそ団結した画を撮ることができたんだと思います。