ねづっちさんに聞く、タイプ別のコミュニケーション術
――では、ビジネスマンが日頃出会う人のタイプ別にどうやってコミュニケーションを取ればよいか、ねづっちさんなりのアドバイスをお願いします。まずは、「怖い上司」に対してはどう接すれば良いでしょうか。
ねづっち:やっぱり1回飲みに行くと良いと思いますけどね。僕らは結構そうなんですよ。最初は怖いなあ、厳しいなあって思ってた師匠とかも、一緒に飲みに行くと、次に会ったときに態度がちょっと柔らかくなってるんですよね。そこから、「2人で飲みに行くか? 」なんて言われたりして、サシで飲んでもっと仲良くなったりとか。やっぱり、距離感なんですかね。自分がどういう人間かということを理解してくれると、向こうも態度が変わりますよね。今、若い人はお酒を飲みに行くのが嫌かもしれないですけど、僕らの世界は昔から、先輩とかと飲みに行くことは多いですね。あと、仲の良いメンバーと飲むときはずっとなぞかけをやってますけどね。
――本の中にもエピソードが書いてありました。
ねづっち:コージー冨田さんが、すごくなぞかけが好きなんですよ。若い頃からしょっちゅう、飲みながらなぞかけをしていて。マネージャーさんがお題係になって、300個ぐらいお題を持ってきて、「さあ、つぶしていくか」って、一晩中なぞかけをやってました。最後は酔っぱらっちゃって、全然かかってないことを言ったりしているらしいですけど(笑)。
――ねづっちさんのファンの方で、「なぞかけを思いついたので聞いて下さい」っていうお客さんもいるんじゃないですか。
ねづっち:います、います。演芸場に、いつも自分のなぞかけを紙に書いて渡してくるおじさんがいます。今、あるんじゃないかな(衣装のポケットから紙を取り出して)。こういう紙に書いてくるんですよ。
――ちゃんと取ってあるんですね!
ねづっち:最初僕に「下手な芸人」っていうお題を出してきて、「下手な芸人とかけて いらないプレゼントととく その心は、受け(ウケ)取りません」って返したら、この紙を渡してきて(「下手な芸人とかけて 正しい食事ととく その心は、よくかみます」と書いてある)、自分のなぞかけとどう違うかを楽しんでいるみたいで。たまに、「ああ~かぶっちゃった! 」って言ってきたりとか。それも、演芸場のちょっとした名物になってるんですよ。他の常連さんも「あ、またやってるな」って。
――いいですね、その感じ。
ねづっち:これ、散髪屋のチラシの裏に書いてあるんですけど、これもネタにしちゃうんですよ。「あれ、これ散髪屋のチラシじゃん。じゃあこのなぞかけ、俺も利用(理容)していい? 」って。そしたらそのおじさんが「絶対使ってよ。散髪屋だからってカットすんなよ」って返してきて。
――もはやフリースタイル・ラップバトルですね(笑)。
ねづっち:ははははは(笑)。この人は特殊ですね。自分の作ったものを渡してくるという。
――では、続いて「無表情で無口な取引先の人」が相手の場合はどうすれば良いでしょう。
ねづっち:大変ですね。まあ、もがくだけもがきますけどね。趣味とかハマってるものとかさんざん聞いて聞いて、ダメだったらもうしょうがないと思います(笑)。でも、大抵そういう無表情の人でも、結構笑顔を見せてくれたりしますけどね。それで、「ニコッ」っとなったら、「あ、いける! 」って思います。
――次に「ギャル社員」。
ねづっち:何をしてギャル社員なのかよくわからないですけど(笑)。同じ目線で喋ってみたいですよね。ギャルだから絶対僕の方が年上じゃないですか? 上から行くよりも、同じ目線で考えたいですね。
即興でなぞかけを披露してもらった
――わかりました。では突然ですが即興で、「ビジネスマン」をお題になぞかけを披露していただくことはできますか?
ねづっち:はい、できますよ。(1秒ぐらいの間で)整いました。「ビジネスマンとかけて 高校野球で使うバットとときます その心は、そこに勤続(金属)があるでしょう」。
――すごい、なんでこんな速度で思いつくんですか。
ねづっち:いやあ、仕事だから(笑)。
――とはいえ、実際に目の前でやっていただくと感激します。もう1つだけ、お題は「マイナビ」でお願いします。むずかしいですよね?
ねづっち:そうですね。(同じく1秒で)整いました。「マイナビとかけて バイキング料理とときます その心は、いろんな職(食)を求めます」。
――おお~! なるほど。バシッとハマりますね。すごい! ねづっちさんのなぞかけって、気持ち良いですね。
ねづっち:そう言っていただけると、嬉しいです。
――では、マイナビニュースをご覧のビジネスマンの方に、改めて『会話を整える』のご紹介をお願いします。
ねづっち:今回は本当に、ビジネスマンの方に仕事でも役立てばいいなと思って作った本なので、是非この本を読んで仕事に活かしていただけたら、こんなに嬉しいことはないですね。あと、なぞかけにハマってくれても嬉しいです。是非そのときは、演芸場に足を運んでください!