男女それぞれの視点で、2つのストーリーを描くユニークなドラマ『彼女のウラ世界』(フジテレビTWO 22日23:00~スタート、ひかりTV 22日23:30~スタート)の主演を務める俳優・三浦貴大と、ヒロインを務める女優・剛力彩芽。以前、ドラマ『フェイス -サイバー犯罪特捜班-』(17年、Amazonプライム・ビデオ)で兄妹役を演じた2人が、今回は恋人役に扮している。

三浦が演じる主人公は、自信満々かつ自己中心的なドラマのディレクター・西村敏郎。ある日、3年つき合った恋人の近藤明子(剛力)にプロポーズするも、彼女はその直後に忽然と姿を消してしまう。原作は女里山桃花の同名小説で、ドラマは男の目線で描かれる<TOSHIRO SIDE>をフジテレビTWOで、女の目線で描かれる<AKIKO SIDE>をひかりTVのひかりTVチャンネルで、連日各5話をリレー方式で放送するという新しい取り組みだ。

そんな今作に臨む意識や撮影現場の裏話などを、2人に聞いた――。

  • 『彼女のウラ世界』で共演する三浦貴大(左)と剛力彩芽

    『彼女のウラ世界』で共演する三浦貴大(左)と剛力彩芽

■思わず「兄貴」と呼びそうに

――男女の物語を、男と女それぞれの目線で別々に見ていくというドラマの構造が非常に興味深いですね。

三浦:面白いやり方だなと思いました。こういう形で描かれた作品をいくつか知っていますが、僕がけっこう好きな漫画などもあって。だから自分もぜひドラマに出演してみたいなと思いました。両方の台本を読んでみて、明子のウラ世界を敏郎が追いかけていく感じの物語ですが、その追いかけ方はよくないなあと(苦笑)

剛力:確かにそうですね(笑)。実際に人の視点や感じ方、見方はそれぞれ違うと思いますが、それをちゃんと1つの物語として放送されるのが面白いなと思いました。でも、撮影をしていて、これはどっちだっけ?とごちゃごちゃになった瞬間もありました。回想シーンやイメージのシーンも多いので。

三浦:確かにそう思った!

――お2人は『フェイス -サイバー犯罪特捜班-』以来の共演となりましたが、今回の現場はいかがでしたか?

三浦:久々に一緒に仕事ができるのはうれしかったです。ただ、前回は兄役だったので、今回ちゃんと恋人役にも見えるかどうかが心配でした。しかも今の僕は、別作品の役作りで太っているし(笑)。ただ、実際には恋人っぽいシーンってすごく少なかったんです。

剛力:回想シーンで少しだけあったくらいです。私も兄貴感が抜けなくて、最初のデートシーンで「兄貴」と呼びそうになりました。そもそもお兄ちゃんみたいに思っちゃっているかも。でも、いい意味で三浦さんは変わらないなと思いました。

――三浦さんは、自信過剰すぎる敏郎に感情移入できましたか?

三浦:あまり友達になりたくないタイプの男です(苦笑)。そんなに自己肯定感が強かったら人生楽だろうなと。僕が普段言わないようなことを平気で言うので、なるべくそこをフラットに言えるように心がけました。例えば、明子との初デートの日、「もしかして俺のこと気に入った?」とか言うんですよ。言わないでしょ、普通は (笑)

剛力:でも、言い慣れてる感じでしたよ(笑)。ただ、明子としては、そんな敏郎を見ていて愛おしく思えてくるんです。確かに、台本だけを読むと、なんだ、このセリフは!と思うところがあったんですが、それをさらっと言えちゃうのは、まっすぐな人だからかなと。

■家族以外の人に素直になりきれない

――剛力さんは、明子に共感する部分はありましたか?

剛力:恋人に限らずですが、私も家族以外の人に対しては、素直になりきれない部分があり、そこは共感できました。自分も本音が言えないことが結構あるし、敏郎みたいに遮られたりすると、じゃあいいやと思ってしまいます。そこは明子を演じていて、もっと自分を見せれば良かったのにと、すごくもどかしかったです。

三浦:それは明子の優しさだったんじゃないかなと。たぶん敏郎には、いろんなことで俺のほうが上だと思っている謎のプライドがあるから。それを崩してしまうと、居心地のいい空間が壊れてしまうんじゃないかと、明子は思ってしまったのかも。

――剛力さんは明子を演じるとき、どんな点を意識しましたか?

剛力:明子はだんだん敏郎に見えてない部分が見えていきます。敏郎から見た明子はいわゆる理想の女子って感じですが、でも決して敏郎の前でいい子を演じているわけではないんです。そこは微妙なニュアンスなので、最初に監督と話し合い、作り込みをしすぎないようにしました。でも、衣装やメイクで見た目が全然違うので、そこは自然と気持ちを変えられて良かったです。