東京ドームシティ・シアターGロッソで2月6日に行われた「魔進戦隊キラメイジャーショー」シリーズ第4弾「Gロッソ最終決戦 輝け!キラメキの光!」初回公演を終えたアクション監督の渡辺智隆氏は、いつもと違う客席の熱気をステージ裏で感じていた。「いつまでも鳴りやまないんです、拍手が」。
予想を超えた反響に驚いていたのは渡辺氏だけではなかった。「これには音響さんが迷ってしまって。通常なら拍手の終わり待ちをして曲出し、それでMCが登場してトークという流れ。でも、そのタイミングが見つからない。このままだといつまでも続きそうだったので曲を流したら、MC登場でまた拍手が起こった」渡辺氏が振り返る。「いろんなステージをやってきましたが、あれはちょっと味わったことがない拍手でした」。
2月28日の放送で最終回を迎えた『魔進戦隊キラメイジャー』は、誰しもが心の奥に宿している"輝き"を原動力に、人々から希望や輝きを奪おうとするヨドン軍と戦うヒーローたちの活躍を底抜けに明るいタッチで描き、コロナ禍で気持ちが沈みがちだった視聴者の心をつかんだ。
そして、最終回の熱量そのままに、6人の素顔の戦士たちが初めて勢ぞろいした公演「魔進戦隊キラメイジャーショー」シリーズ第4弾「Gロッソ最終決戦 輝け!キラメキの光!」が、現在東京ドームシティ・シアターGロッソで上演。その公演が、ファンのあいだで話題となっている。反響を呼んでいる公演について、アクション監督を務めながら、自身もアクターとしてショーに出演している渡辺智隆氏に話を聞いた。
※本記事は「魔進戦隊キラメイジャーショー」シリーズ第4弾「Gロッソ最終決戦 輝け!キラメキの光!」の内容に触れている箇所があります。ご注意ください。
――客席もそうですが、SNSでもすごい反響ですね。
SNSはあまり見ないので、人づてで聞いています。公演中の客席の盛り上がりもすごかったと見た方が言ってくださるのですが、舞台にいるのでよくわからないんですよ。でも、うれしい反応は感じています。いまは観客のみなさんに声を出さないようにお願いをしているのですが、我慢していても笑い声や驚きの声が漏れてしまうってことがありますよね。変な話ですけど、それがこらえきれなくて出てしまう心からの反応のような気がしてうれしいんですよ。
今回のショーを作る上で、いまお客さんが求めているのは何だろうということがまずありました。コロナ禍でエンターテインメントが限られていて、感動とか笑いとか、失っているものがいっぱいあると思うんです。だから、見に来てもらえる場をいただいて演じる以上は、できる限りそういうなくした気持ちを取り戻してもらいたいなと思って取り組んでいます。こうした状況で、作る側もお客さんの側もやはり何かがたまっていたから、そういう気持ちを解放してこの演目にぶつけている。作り手と見てくださる方とが、いい関係を築けているショーだと思います。
――小宮璃央さん、木原瑠生さん、新條由芽さん、水石亜飛夢さん、工藤美桜さん、庄司浩平さんら6人のキャストのみなさんの意気込みも感じられました。
みんなアクションをそんなに経験していませんでしたから、最初は戸惑っていました。でも、もうメキメキと上達して……傍で見ていると、本当に"メキメキ"というのがぴったりきちゃうんですよ(笑)。彼らは、リハの最中でもお手本のようでした。僕たちのなかでもたまに楽屋に戻っちゃったりする人とかいるんです。でも、彼らはずっと舞台を見ていて、演出家や僕の話も全部聞いてくれているんです。だから、いざ舞台に上げたときにすぐできちゃう。本当にそこは感銘を受けましたね。脚本・演出の井上テテさんとも話していたんですが、本当に素晴らしい人たちだなって。
本編が20分の尺ということもあり、最初はもう少し簡単なアクションをつけていたんです。でも、やっていくうちに、もっといけそうだなって。それで、いったん尺のことは置いておいてアクションを足していったんです。例年よりアクションの難易度を上げちゃっているかもしれません。体力的にもきついと思うのですが、裏では「ぜんぜん大丈夫です」「楽しいです」みたいなことを言っていたので、「ありがとう……」って(笑)。